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16の差〜記憶喪失〜

[300]  ミュウ  2008-12-30投稿
「ねぇ‥、新一は?」
「新一って言う人は、優美さんのお友達ですか?」
「はい。」
「あっ!茎田さんに、電話をかけるの忘れてた!」
「お電話をかけて来ますね。」
「はい。」


「トゥルルルルー……。」「はい。茎田です。」
「加賀美病院ですけど、楠木優美さんが、目を覚まされましたよ。」
「本当ですか?」
「はい。」
「今、すぐ来ます。」
「優美さんに、伝えておきますね。」
「はい。」


「優美さん、浩輔さんが、来ますからね。」
「はーい。」

数分後、浩輔が来た。

「優美、起きたのか?
俺、嬉しい。」
「あなた…、誰?」
「優美、俺だよ。俺。」
「ねぇ、新一、知らない?」
「新一?」
「そう。優美の彼氏なの。」
「彼氏?優美の彼氏は、俺だよ。」
「あなたは、知らないわ。」
「何言ってるんだよ。」
「優美、何かした?」
「優美、ホントに覚えてないんだな。」
「ちょっと、待ってて。」

「先生、起きたのはいいんですけど、新一って言う人が、優美の話に出てくるんですけど、どうしてですか?」
「優美さんは、記憶喪失かもしれません。」
「記憶喪失…。」
「簡単に説明しますと、頭の中に、優美さんとあなたの思い出があります。その思い出が、事故のあった日、優美さんの頭の中が、浩輔、浩輔で、いっぱいだったんです。でも、ずーっと寝たきりの優美さんの頭の中から、消えていったのです。今、起きた優美さんの頭の中は、あなたとの思い出が、消えて、過去の事が、優美さんの頭の中に残っていると、私は、そう思いましたね。」
「先生、優美の記憶、戻るんですよね?」
「私は、戻ると思います。」
「ですよね。」
「つらい事もあると思いますが、つらい事を乗り越えて、幸せが、あなたと優美さんに、待っていると思います。」
「頑張ります。」

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