Dream Quiz Show! 〜プロローグ〜
「今日の大阪の天気は温暖前線の影響で雨が降りますので、外出の際には傘をお忘れないようにして下さい――――」
空を見れば一目瞭然だった。
「あん時もこんな天気やったな…」
男の声には覇気が感じられない。
畳部屋の上に雑に敷いた布団、壊れかけのテレビ…
独り暮らしのようだ。
部屋は7畳半で、トイレは別室にある。
キッチンや風呂場は見あたらない。
男は布団の上に寝転がりながらテレビのチャンネルをいじった。
そこにはクイズ番組が映っていた。
司会者の問題に一般の人達が真剣な顔つ
きで答えている。
「まだやってるんや…。」
男の口から長いため息が出た、
と同時に男はテレビの電源を切ろうと電源ボタンに手を伸ばした。
「もう7年も立つんやな…。」
電源ボタンを押さずに男はそう言うと、
右にあった引き出しから小さい白い宝石が付いてある指輪を取り出した。
恐らくダイヤモンドだろうか。
男の顔は陰うつで、疲れきった顔をしていた。
「こんなこと考えとったらあかんな…。
もっと…明るく行かなあかんな…。」
ダイヤモンドは白く輝き続けている。
感想
感想はありません。