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ある冬、雪の降る日に

[304]  春歌  2008-12-30投稿
あたしは、泣きすがる。
今に、
過去に、
未来に。

生きたい。生きたい、生きたい。

どうして死ななきゃいけないの?
昨日はちゃんと餌もくれた。
頭は撫でてくれなかったけど、叩かないでいてくれた。
毛布はいつもみたいにやっぱり平ぺったくて固いけど、あたしはそれが好きなんだ。
だから文句だってつけてないし、大事に使ってきた。
なのに、毛布が捨てられた。
あたしは悲しくて、寂しくて、吠えた。
毛布が捨てられたからだけじゃない。
お母さんの目が、あたしを見る目が今までで一番冷たくって…。

今までもあたしに笑ってくれたのは小さい頃だけだったけど、いよいよ恐れていたことが起きた。

お母さんはあたしをドアから出すと、扉に鍵をかけた…。

雨の降る、寒い日だった。
首輪は残されたまま。

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