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エリザベスドール?(28)

[452]  ぐうりんぼ  2008-12-31投稿
 あの人間の男…
 ルーク・ハリーがいるからなのね?」

「ルークカラ、ハナレタクナイノ」

 妹エリザベスの…

 今も変わらぬルークへの思いに、ローズマリーは呆れるばかりだ。

「アンタったら、ジーナ・バーソロンの魂は抜けても、あの女の恋心までは抜けてないのネェ?」

「ジーナノ、キモチ…
 ワタシノ、キモチ」

「ふーんなるほどォ。
 だけど…
 アンタがあの人間に惚れていても、向こうはアンタを化け物人形としか見ないじゃない。
 分かってんの?」

「ワカッテル…。
 デモワタシハ、ルークヲ、アイシテル」

「あのねエリザベス…
 向こうはアンタを嫌っているのも同然なの」

「ワタシハ、ルークガ、スキ」

「でもアンタは嫌われている」

「ワタシハ、スキ」

「だから、アンタの事は嫌いだって!」

「ワタシハ、スキ」

「人間の男を好きになっちゃ駄目ッ!」

「ワタシハ、ルークガ、スキ」

「エリザベス!」

 言う事を聞かない妹に、ローズマリーは段々と苛立ちを感じて来た。

「ルーク、ダイスキ」

「イイ加減にしてよ!」

 と言って、ローズマリーはケースの台をドンと足蹴りした。

 エリザベスは言う事を聞かないばかりか…

 自分の思いを強調したいのだろう…

「ルークガ、スキ!
 ルークガ、スキ!
 ルークガ、スキ!
 ルークガ、スキ!
 ルークガ、スキ!…」

 と言う台詞を繰り返す始末。

 ローズマリーとしてみれば、からかわれているような気分だろう。


 エリザベスの言葉を遮るように、ローズマリーは声を大にして言う。

「うるさーい!」

「ワタシハ、ルーク…」

「お黙りッ!」

「…」

 溜め息付くローズマリー。

「バカじゃないのッ!?
 同じ事を何度も言ってからッ!」

「ルークゥ…」

 姉に怒られたからか…

 今度は泣き出した。

「あー分かったわッ!
 アンタの好きなように、おやりなさい!」

 こりゃあ駄目だと、ローズマリーは思った。

 妹エリザベスは純情だけど、甘えん坊で凄く頑固な面も持っている。

 以降、ローズマリーは黙り込んだ。

 すると…

 エリザベスは恐る恐る、姉に話しかけた。

「ローズマリー」

「…」

「ローズマリー」

「なあに?」

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