携帯小説!(PC版)

ラビリンス?

[626]  lime  2008-12-31投稿


あぁ、なんだろうこの感じ…
俺は一体どうなったんだ…そもそも生きてるのか?

俺はそっと目を開ける。だが、まだぼっとしている。どうやら俺はベッドにいるらしい…まさか、ここは‥俺の家‥
俺はしばらく天井を見ていた。
すると、見覚えのある顔が俺の視界に入った。

「ベ、ベティ…ベティなのか…」

俺の視界に入った見覚えのある顔とは、離婚した妻だった‥何故彼女が‥
彼女はずっと俺に微笑みかけていた。
俺も自然に笑顔になっていき、彼女に微笑み返す。だが、まだ俺の意識はぼっとしており、視界がおぼつかない。
そして彼女は、時折俺に語りかけてきた。でも、俺の耳には入らない‥
俺はベッドから起き上がろうと立ち上がった。体がふらつく‥彼女はそんな俺を何故か悲しげな表情で見ていた…

「どうしたベティ……」

ふらつきながらも俺は彼女に言った。

「受け入れて…受け入れるのが運命よ…」

「!?」

今度ははっきりと彼女の言葉が聞こえた。それと同時にだんだんと意識がはっきりしてくる。

「ベティ…どうしてここに…」

彼女はイスに座り、やがて彼女の表情は無表情となる。彼女はずっと俺を見つめていた。

「あなたは自分の意志でとらわれた…
だから、受け入れて……」

「何を言っているんだベティ!」

あきらかに違っていた。俺の知っているベティではない。一体どうなってるんだ…。

その時、俺に衝撃が襲う。その衝撃で俺は床に倒れ込んだ。倒れた俺は、立ち上がるため体を起こす。
その時、俺は気付いた…

「ここは‥…実家…」

俺はいつの間にか、子供の頃に過ごした
実家にいた。辺りを見回すがベティの姿がない。俺はそっと歩き出す…ここは懐かしくもあり、得体の知れない違和感を感じさせた…

「!?」

俺はあるものを発見する。それは‥俺が子供の頃に亡くなった父親の遺体だった。俺の両親は子供の頃に亡くなった…
原因は分からない‥俺はその後、母方の叔父に引き取られ、ここまで育った。両親の死について叔父は何も言わなかった。いつしか俺は両親の死の理由などどうでもよくなり、忘れていた。だが、今、父親の遺体が俺の目の前に転がっている。
久しぶりに俺は両親のことを思い出した…

続く

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