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エリザベスドール?(30)

[432]  ぐうりんぼ  2008-12-31投稿
 外の喧騒をよそに、ローズマリーとエリザベスの会話は続いていた。

「ネエ、ローズマリー」

「なあに?」

「アノオドリヲ、ヤッテ」

「ハァ、こんな所で?」

「ヒサシブリニ、オドリヲ、ミタイノ」

 ローズマリー、両手を上げるジェスチャーしながら言った。

「勘弁してよ。今はそんな気分じゃないのよ」

「ゼヒ、ミターイ」

「エリザベスったらァ」

 呆れ顔のローズマリーである。

 すると、エリザベスは意外な事を口にした。

「オドッタホウガ、レイリョクガツイテ、イインジャナイノ?」

 妹の言葉に、ローズマリーはピーンと来るものを感じた。

 ローズマリーの表情が明るくなる。

 ニヤリと微笑むローズマリー。

「イイ事に気づいたわねエリザベス」

 そう言って、ローズマリーはその場で踊り始めた。

 バレリーナのように…

 ゆっくり両手を広げ…

 足を高く上げ…

 華麗に舞う。

 ローズマリーハ…

 キタノマカイデハ…

 ユウメイナ、ブトウニンギョウジャナイ。


 そう。


 私は魔界では1番の踊る人形なのよ。

 踊る事で…

 私の霊力が増しパワーが付いて来るわ。

 私は強くなれる。

 強くなれるのよ。


 このようにして、2体の人形は互いにテレパシーで会話するのだった。

「あんな所で踊りとはな。舞踏会で踊る為の、稽古でもやってるのか?」

 モニターに釘付けのモグレ警部は、ローズマリーの行動が理解出来なかった。

「上手いですネェ。
 プロのダンサーになれますよ彼女は」

 呑気にレイロ刑事がローズマリーを褒める。

「冗談言ってる場合じゃないぞ君ィ?
 コイツは何を企んでいるのか分からんからな」

「すみません」

 そこへマーティ巡査がやって来た。

「警部! 軍の関係者らが見えられました!」

「ウム!」

 振り返るモグレ警部とレイロ刑事。

 そこには…

 マーティ巡査に案内されて来た3人の兵士の姿があった。

 マーティ巡査は3人にモグレ警部を紹介した。

「こちらが、現場を指揮する18分署の警部モグレ・ロワッソです」

「はるばるご苦労様です。モグレです」

 1人に握手を求めるモグレ警部。

「陸軍北部方面・第1首都治安部隊を指揮する隊長のグリッドマンです」
 握手を交わす2人。

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