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キャロルの秘密 17

[973]  キャロルの秘密  2009-01-03投稿
「では、早速だ始めよう」古賀は野沢にブースに入るよう促した。

野沢は少し緊張した面持ちでブースへ入った。

「渡辺、まずどんな感じか流してくれないか」
アシスタントデレクターの渡辺は頷いただけで、野沢祥子の『明日の私』のオケを流し始めた。

野沢はブースの中でヘッドフォンをして目を閉じ曲をじっと聴いている。

曲はエンディングを迎えた。
「このオケに、昨日俺が言った通り、この曲の持つ詞の世界感を大事にまず三回録ってみよう」

野沢祥子は、言うまでもなく、すでに自分の世界に入っていた。

古賀はその姿をみて、これは必ず良いものができると確信した。

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