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何歳(いくつ)になっても

[628]  内田俊章  2009-01-03投稿
朝倉祥子は38才。25才で結婚して13年。夫「俊章」は、3才年上で平凡なサラリーマン。小学校6年生の長女「亜弥」と、3年生の長男「隼人」の、一姫二太郎の子供に恵まれて、子育ても一段落していた。
昨年、振興住宅街に25年ローンで一戸建て住宅を購入して、平凡ながらも、毎日新しい出会いが有って、楽しい日々を送っていた。
ある日、祥子はゴミステーションで、一人の男性と顔を合わせた。何処かで会った様な、見覚えのある顔だか、思い出せない。取りあえず「お早う御座います」と挨拶を交わしたが、何処の誰だか気になって仕方がなかった。
その男性は営業バッグとゴミ袋を持ち、出勤途中の様子だった。
祥子は洗濯を終え、食卓に腰を下ろし、一息入れていると、玄関のチャイムが鳴った。
居間のインターホンを覗くと、隣の「飯田晶子」だった。
飯田家は、祥子一家より一ヶ月程後に、隣に引っ越して来た。祥子とは同じ年で、直ぐに親しくなり、家族同士で付き合う様になった。
晶子が世間話を始めた。
「ねえ知ってる?向かいの角に引っ越して来た只野さん。ダンディーだよね。奥さんが今妊娠中で、家事仕事をご主人がほとんどやってるんだって」「今朝ゴミステーションで会った人かな?格好良い人だったけど」「えっ、会ったの?きっとそうだよ」「私ね、何処かで有ったような気がするんだよね」
祥子は、晶子が帰った後も今朝有った男性が気になって仕方なかった。
祥子は思い出した。高校時代の野球部のキャプテンだった「木下賢介」かも知れない。だが、高校時代の木下は坊主頭。今朝有った男性は、ダンディーなオールバック。似ている様で似ていない。
祥子は高校時代、木下と付き合った事がある。祥子は、ピッチャーで4番バッターの木下に憧れ、ラブレターを渡した事があった。木下は、3年生の高体連が終わるまで、女子生徒に見向きもしなかったが、最後の試合が終わって間もなく、祥子に交際OKの返事をくれた。祥子と賢介は回りがうらやむカップルとして卒業を迎え、遠距離交際の約束まで交わした。しかし、祥子は銀行のOLとなり、賢介はこの町を離れて大学へと進学した。その後も年に2回程往き来して会ったが、成人式を向かえた頃からお互いに忙しくなり、遠距離恋愛は自然の内に終わってしまった。

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