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NEW MOON

[173]  ふく  2009-01-04投稿
静かに泣いた
静かに月が輝く夜

あなたが隣にいた
何も聞かずにそっと私の頭に手を置いた
何で泣いているのかも私には分からない
ただ切ない夜もある
寂しくてたまらなくて堪えきれない夜も

何も聞かない
手の温もりだけが私の体中を埋め尽くしてまた泣いた
次は声を上げて泣いた

今日だけはそばにいて
お願いだから私を独りにしないで
あなたが吐く息と共に笑う

身を寄せて目を閉じれば暖かい
抱きしめられて耳を澄ませばあなたの鼓動が聞こえる
それだけで何もかも忘れてしまえる様な気がした

呆れて笑わないで
この今の感覚を忘れない様に深呼吸をした
あなたがいる現実を噛み締める様に背中に手を回した

消さないで
確かに感じる安堵を
消えないで
この夢が

目を開ければあなたがいなくなる様な気がして恐かった

孤独を感じる夜に
あなたが私の孤独を消した
朝が来ればまた繰り返す
孤独が消えた私に朝日が射せば
あなたがいなくなり
私は次々に襲い掛かる孤独に苦しめられる

二人抱き合った夜の
美しい月

いつまでも照らして
夜明けはいらない
私達を永遠の愛へと導いて

叶わぬ願いを心に秘め
あなたの大きな背中にしがみついた

泣いたのは
あなたが私のものではないと
分かっていたから

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