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スラム part19

[567]  やいち  2009-01-04投稿
河野が吹っ飛んだ。

そりゃそうだ。慶吾は力が強い。こんなやつに突然殴られたら、吹っ飛ぶのは当たり前だ。
状況は読めなかったが、すぐに俺は慶吾を止めに入った。
「おい!!慶吾!何やってんだ。」
それが聞こえていないかのように慶吾は続けた。

「お前のくるのはここじゃないだろうが!俺はいったいなんのために…」
慶吾は突然口をふさいだ。河野は黙っている。殴られたせいだろう。口から血が出ている。
少し沈黙が続いた。
さすがに悠や賢之助、新藤は黙っている。
慶吾が口を開いた。
「修二、ちょっと来てくれるか?」
「あぁ、いいぜ。河野、口大丈夫だよな?賢之助、ちょっと悪いけど、練習指示して先に始めといてくれ。」
「わかった。」
そして練習内容をある程度言ったあと、俺と慶吾は道場から出ていった。


俺と慶吾は道場を出たあと、柔道場の反対にある校舎の裏に行った。

そしてすぐ俺は話を切り出した。
「っで、いったいどうしたんだよ。河野と知り合いなのはわかったけど、突然殴るなんて、お前らしくねえし、5月の大会は出場できなかったけど、6月のインターハイ予選にはもちろんでてもらうんだぞ。」
そう言うとすぐに慶吾は返答してきた。
「そのことも話そうと思ってたんだ。」
「なんだよ?」
また沈黙が続いたあと、慶吾は言った。
「…俺、インターハイ予選には出れねえんだ。その次の新人大会にもたぶん間に合わない。」
「えっ。」

俺は本山高校の主力選手の突然の出場できないという言葉で、言葉を失ってしまった。

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