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RPG−28

[200]  たる  2009-01-06投稿

「お姉さんたちは船で来たんでしょ?」
「見てたのか?」
「鏡でね。僕も船に乗りたいんだ」

2人は顔を見合わせた。乗せたいのは山々だが、あの船には別れを告げたばかりだ。

それより鏡の凄さにカナは驚いていた。家の周りを映したり、港を映したり。一体、いくつあるんだろう。

「お姉さんもまだ旅を続けるでしょ?旅には船が1番だよ」

ディーシャの発言は、もちろん2人のお人よしを見抜いてのものだ。

「ただの船じゃなくて海賊船でしょ。私有船じゃないと僕はこの街から逃げられない」

2人はまた顔を見合わせて、そしてふと見た鏡に映る人に声をあげた。シークたちだった。

「なんであの子たちが」
「まさかつけてたんじゃないだろな」

レイが眉をしかめた。

「あの人たち、船の乗組員なの?じゃあ頼んでみようかな」
「あ、ディーシャくんっ。待って待って」

ディーシャは壁にしか見えないドアを開き、外に出た。これも科学?カナは開いた口がしまらない。

ちょいちょいと歩くだけでシークたちの元に着いてしまった。しつこい警官からはこれで逃げるのだとディーシャは説明した。

「すいません」

ディーシャがシークたちの背中に声をかけた。4人は跳び上がった。

「カナだ!」
「レイだ!」
「見つかった!」

驚いたものの、2人の姿を見るとパッと顔を輝かせた。

「船に戻ってくるのっ?」

キラキラした目でそう言われ、カナとレイは困った。船に戻る方が旅には都合がいいだろうが、もうお別れもしてしまった。

しかしディーシャが間髪入れず、はいと答えた。ぎょっとしたカナとレイをよそに、5人はご機嫌に笑った。

***

「ほ、本当にいいんですかっ?」

訳を話すと、タームは快諾した。レイの誘拐計画まで考えていたから、むしろありがたい頼み事だ。

「すいません。ありがとうございますっ」
「うんうん。仲良くやってこう」
「はいっ」

***

「ほんとにすまない」

表情を変えずレバーを動かしているニルバにレイが言った。

「こんなふうに居座るつもりじゃなかったんだけど」
「タームが決めたことだ。俺は何も言わない」

本当は反対したいってか。レイはぺこりと頭を下げて機関室を出た。

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