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16の差〜少しずつ〜

[340]  ミュウ  2009-01-06投稿
朝。


「ねぇ‥、新一。ひとつ気になる事が、あるの?」
「言えよ。」
「新一には、かわいそうな話なんだけどね。頭の中が、丸の形みたいに、穴が空いてるの。」


「穴が空いてるのか?」
「うん‥。」
「誰かといた。穴が空いてるの。」


優美は、少しずつ記憶が、戻り始めてる。でも、名前や声や顔は、まだ…。


「優美、名前は、何て言うんだ。」
「思い出せないの。」
「ゆっくり、思い出せば、いいよ。」
「そうだよね。」
「ねぇ、見て窓の外、夕日、綺麗。」
「ほら、見て、新一。」
「ホントだぁ。」
「チュ。」
「今、何した?」
「何もしてないよ。」
「俺が、夕日を見た時。」「キス――――――ぅ。」
「優美、顔が真っ赤だぞ。」
「分かってるなら、言わせないでよね。」
「ごめん。ごめん。」
「優美、もう、一回して。」
「やーだぁ。」
「もう、一回。」
「チェリーに、してもらって。」
「冗談。冗談。」
「もう、新一ったら。」
「優美、明日は、加賀美病院に、行くぞ。」
「何で?」
「リハビリだよ。」
「リハビリ?」
「そう。優美の足、動かないから、動くように、リハビリをするんだ。」
「優美の足は、リハビリをすれば、治るんだね。」
「そうだよ。」
「じゃあ、優美、頑張るね。」
「もう、寝るね。」

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