泪恋-Namidakoi-
〜By 拓也〜
美優が逝ってしまって2ヶ月がたった。
一瞬の出来事だった。
付き合い初めて1ヶ月。
初めてのデートに行った時、
俺はいつもより可愛い美優に緊張して。
美優も緊張してるのかあまり話さなくて。
俺が美優より少し前を歩きながら映画館に向かっていた。
途中で美優が
「先輩っ…」
って何度か俺を呼びとめたけど、
振り向いたら余計、顔が赤くなりそうで気づかない振りをして歩き続けていた。
映画館のすぐ側まで来た時だった。
「きゃああああぁぁ」
女の叫び声で振り返ると
お腹から血を流した美優が倒れていた。
通り魔だった ――――
美優はすぐ病院に運ばれたけど、そのまま息を引き取った。
俺は何もできなかった。
美優が倒れているのを見て、
ただ呆然と立ち尽くしていた。
通りかかったサラリーマンが救急車を呼んで、そのまま付き添いで救急車に乗せられた。
救急車の中で何度か医者が何かを聞いてきたが答えられなかった。
覚えているのは、
美優が小さな震えた声で
「…先輩……先輩」
って言っていたことだけだ。
続く
感想
感想はありません。