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泪恋-Namidakoi-

[164]  Mia  2009-01-07投稿

〜By 拓也〜


美優が逝ってしまって2ヶ月がたった。

一瞬の出来事だった。

付き合い初めて1ヶ月。
初めてのデートに行った時、
俺はいつもより可愛い美優に緊張して。
美優も緊張してるのかあまり話さなくて。

俺が美優より少し前を歩きながら映画館に向かっていた。

途中で美優が
「先輩っ…」
って何度か俺を呼びとめたけど、
振り向いたら余計、顔が赤くなりそうで気づかない振りをして歩き続けていた。

映画館のすぐ側まで来た時だった。
「きゃああああぁぁ」
女の叫び声で振り返ると
お腹から血を流した美優が倒れていた。

通り魔だった ――――

美優はすぐ病院に運ばれたけど、そのまま息を引き取った。

俺は何もできなかった。

美優が倒れているのを見て、
ただ呆然と立ち尽くしていた。

通りかかったサラリーマンが救急車を呼んで、そのまま付き添いで救急車に乗せられた。
救急車の中で何度か医者が何かを聞いてきたが答えられなかった。

覚えているのは、
美優が小さな震えた声で
「…先輩……先輩」
って言っていたことだけだ。


続く

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