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魔法的恋愛関係☆

[676]  はにゅう☆  2009-01-08投稿
学校生活はまだ始まらない。
けれども、寮生活はもうスタートした。
とりあえず、自己紹介を終えた私たちは、ソファに座る。
最初に口を開いたのは、アリスという女の子だった。
「ねっ、…あたし、魔法のことは全然よくわかんないけどさ、…飛ぶのだけは、できるの」
ちなみに、"こっち"で飛ぶといえば、ほうきに許可をもらって乗る、ってこと。
つまりは、ほうきには意志がある。
「私も…ほうきは乗れる」
一応、お母さんに教えこまれてきた。
「私も。…で、だから?何が言いたいの?」
アニーというコの強い言い方に私は少し顔をゆがめた。でも、アリスというコは気にしていないみたい。
「ねっ、寮生活最初の冒険…ほうきに乗って空中散歩!付き合うひと〜」
私とアニーは、思わず顔を見合わせる。
そんなことしていいのかな?
「…いんじゃない?楽しそう」
迷う私にかまわず、アニーは話に乗ったみたいだった。
「えっ、でも、勝手に寮を抜け出すのって校則違反じゃ…」
「いいの、見つからなきゃ大丈夫よ!」
「なら、留守番する?」
反論しかけた私の言葉を、ふたりがさえぎった。
…しょうがないなあ。
私はほうきを取り出した。

一番はじめに問題になったのは、コースだった。
みんな、それぞれほうきを持って、ソファに座る。
「誰か、この中でこの辺について詳しいヒト!」
アリスがきいて、でも誰も何も言わない。
「…もしかして、ふたりともハーフ?」
「うん。私は」
「私も」
アニーがハーフだと知って、ちょっとびっくりした。(ちょっと失礼だけど)人間の血が入っているなんて。
「へぇ!あたしは純粋に魔女っコなんだけど…じゃあ、このへんには、あたしが一番詳しいのか。一応、コースの提案はあるよっ」
「そうなんだ…じゃあそのコース飛んで、また戻ってこよう。見つかりそうだったら、私は即隠れるからね」
そう宣言して、私は眠っていたピピ…私のほうきを起こすことにした。
起こし方は簡単。柄を叩くだけ。名前を呼んだりはしない。
ぱしっ。
叩いたら、アリスがもう起こすの…と苦笑い。
「むにゃ…なに、飛ぶの?」
ピピの返事をきいて、私はふたりに言った。
「さっ、早く!」
アニーため息。
「さっきまで、渋々ってかんじだったのに…」
気にしないもん。
さっ、飛ぶぞ!

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