携帯小説!(PC版)

[384]  2009-01-08投稿
目の前に、ズン……と、

大きな古い、朽ち果てるばかりの、表面がただれた、古い、暗い、黒い、幹が、私の前に横たえる。


あぁ、私は幸せにはなれないのだ。と、暗い夜に現れた黒い幹に、立ちはだかれ、やっと気付く。


あぁ、私は、幸せにはなれない。


昼間は良い。

朝、目が覚めれば、朝日を感じたくて、カーテンをひらき、窓も雨戸もあけ、冬空でも、朝の明るさを求める。

昼間は、仕事や日々の作業に追い立てられ、自分の事を考えなくて済まされる。


夜は駄目だ。



夜は駄目だ。



夜は駄目だね。


いくら、まともに生きようが、仕方が無い。

気付かないフリも、無駄だ。


これだけ、腐るばかりの古さでも、これだけ大きいから、気付かないフリも、無駄だ。


ズン……と、私の前に立ちはだかる。


あぁ、私は幸せにはなれない、と、暗い夜に、目の前に横たえたものに、つかえて、ようやく気付く。

あぁ、私は、幸せにはなれない。


こんな黒くて暗い太い幹が、目の前にあっては、とてもとても、無理だ。




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