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奈央と出会えたから。<303>

[557]  麻呂  2009-01-10投稿
『誰だ?!』



辺りに響き渡った叫び声と同時に、



京谷さんのするどい眼光が、



見事にあたしとユカに突き刺さった。



き‥きゃあ‥‥こ、怖いよぉ〜〜!!



『す、す、す、済みません!!』



み、み、みなさんお揃いでっっ。



し、視線が痛い‥‥。



『な?!奈央???
オマエ何で、こんな所にいんの?!』



聖人が驚いた顔をして、あたしに言った。



『えぇっっ?!

奈央ちゃんも秋田谷さんも、どうしたの?!

教室に戻っていいわよって言ったじゃん?!』



ミズホさんも目をまん丸くしてた。



『ち、ちょっと‥し‥心配でっっ。』



嫌だ。



あたしってば何言ってんの?!



青山さんは、



京谷さんに振られたショックで、



まだ泣きじゃくっていて、



その横に立つ成沢さんは、



青山さんをなぐさめていた。



あたしは、



何ともひどいタイミングの悪さで、



自分の存在を、この場にアピールするコトになってしまった。



『オマエ、もしかして聖人のオンナか?!』



バイクにまたがった状態で、



京谷さんは、あたしにそう言った。



『は‥はい。

は、初めまして‥‥。

あたし、2年の木下 奈央って言います。』



『ふぅん。じゃあ、そっちのコは友達?!』



京谷さんは、今度はユカの方を見ると、


更に、あたしに質問してきた。



『あたしは、奈央の親友の秋田谷 ユカって言います。

奈央と同じ2年です。』



シンユウ――



その言葉が、嬉しかった――



ケド、



さすがユカ。



こんなトキにも動じないで、ハキハキしてる。



『ハハハ。聖人がねぇ‥‥。』



京谷さんは、一言そうつぶやいてから、


またがっていたバイクから下り、



聖人の耳元で、こう言ったんだ。



『聖人。オマエが丸くなったのは、

このコのせい‥‥か?!』



そんな京谷さんの言葉を受け、



聖人は、あたしの方をチラリと見た。



『俺は何も変わってないっスよ/////』

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