携帯小説!(PC版)

退屈2

[206]  るば  2009-01-11投稿
ぼくは自転車に乗っていた。今年の春にもらったぼうしみたいな明るいきいろの自転車だ。
自転車はバランスがわるいから、ぼくはまだうまく乗れない。

カーブもまがりきれないし、練習場所は寿屋の駐車場だ。
寿屋の駐車場はいつも車が少ない。
その代わり、店のいりぐちの前の駐輪場には、たくさんのママチャリが停まってる。
ぼくは、お母さんが買い物をしているあいだ、ここで自転車の練習して、ときどき自転車をほうりだして店の前のガチャポンで、つぎになにがでるかを予想したりする。
けどぼくが実際にこのガチャポンを回したのは、今年の正月だけだ。
その時のぼくの予想は見事にハズレた。
ぼくはあんまりガッカリしてしまって(この時のぼくの予想は一番欲しかったキン肉マン)
こんな事なら、予想してるときのが良かった。
とさえ思い、げんじつのきびしさを知った。

ちなみに今日の予想はラーメンマンだ。

お母さんが買い物袋を持って店からでてきた。

荷物持ちはお母さんのしごと。当たり前だ。

お母さんは、ぼくが自転車をおしながら歩いてるとすぐに片手でヒョイと押さえて、さっさと自転車をひっぱっていく。
お母さんは怪力なのだ。 ぼくは疲れてるからまあいっか、ていつも思うし、それを待っているのだ。
学校が終わってから、お母さんと毎日寿屋からかえるこの時間になると、もう1日が終わってしまう。

くたくたになって、9時になったら寝かされて、ぼくはまだ退屈という言葉を知らない。

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