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天駆ける時間26

[332]  ユータ  2006-07-01投稿
「あ…」なんとか屋根に上ったカケルは空を見ていたユータを見た。雲の合間から月が顔を出している。
「お、カケルさん大丈夫っスか?」顔を向けながらユータは無邪気に笑った。
「大丈夫?凄い怪我…」
「あぁこれっすか?大丈夫?初めての実戦したけど…帽子は無事でしたし」
「初めて?!ってか体より帽子なの?」
「この帽子は光りの戦士がくれた大事な物っスから」ちょっと照れたように笑うユータの顔はまるで幼児のように無邪気だった。

憂希町…午後…学校屋上…「さっそく戦闘したみたいね」空がまじまじと二人を見つめた。「カケルは無傷だけど…」
「俺は平気っスから」一日しか経っていないのにユータの回復力は目を見張る物がある。
「…今夜は私も一緒に行くね」未来が微笑みながらカケルに言う。
「空なら大丈夫でしょ」
「もちろん!それじゃあ…今夜気をつけてね」
三人は夜に集まった。月がほんやりと辺りを照らしていた。今夜も夢魔は現れた。「大丈夫こいつらなら私に任せて!」鞭のようにしなる剣で未来は夢魔をあっさり蹴散らしてしまった。それからもユータや未来の活躍で夢魔は浄化されていったが…カケルは自分が役に立てずにいた。

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