僕、日常、神様、悲壮2
「松井、今日は一体何を忘れたんだ?」いつものごとく僕は訊く。
「えーと、何だっけ」
「お前、忘れ物が何なのかを忘れたのか?」
「あぁ、最近さあ、ボケが始まったおじいさんみたいになってきたんだ」
そう言いながら、松井は自分の頭を撫でた。
「ボケの始まったおじいさんも気の毒だな、お前と一緒にされて」
その瞬間、後ろから柴犬のくしゃみが聞こえた。
その後松井が、「俺、トイレ」と言って学校に向かって走っていった。
教室は、人の体温のせいか、暖かかった。
席に着くと、僕はすぐに窓側の一番端の席に目を向ける。
そこには、僕にとっての女神が座っていた。
美優ちゃんだ。短めの髪が活発的な感じで、似合っている。
「おい、吉川。俺の話聞いてくれん?」
気付くと、すぐ横に横田が立っていた。
声をかけられなかったら、ずっと端の席を見つめていたかもしれない。
「ちゃんとオチはあるんだろうな」
「驚くなよ。素晴らしい話だぞ」
そう言って、横田は胸ポケットからピンク色の紙を取り出した。
「この手紙、さっき俺の靴箱の中にあったんだよ」
「で、誰から?」
「美優ちゃんからだよ。ラ・ブ・レ・ター」
横田は僕の耳元で囁く。
「実は、嘘ですなんてオチじゃないのか?」
少なくとも僕の声は震えていただろう。
地震で例えると、震度7強ぐらいの震えだったかもしれない。
ー続くー
「えーと、何だっけ」
「お前、忘れ物が何なのかを忘れたのか?」
「あぁ、最近さあ、ボケが始まったおじいさんみたいになってきたんだ」
そう言いながら、松井は自分の頭を撫でた。
「ボケの始まったおじいさんも気の毒だな、お前と一緒にされて」
その瞬間、後ろから柴犬のくしゃみが聞こえた。
その後松井が、「俺、トイレ」と言って学校に向かって走っていった。
教室は、人の体温のせいか、暖かかった。
席に着くと、僕はすぐに窓側の一番端の席に目を向ける。
そこには、僕にとっての女神が座っていた。
美優ちゃんだ。短めの髪が活発的な感じで、似合っている。
「おい、吉川。俺の話聞いてくれん?」
気付くと、すぐ横に横田が立っていた。
声をかけられなかったら、ずっと端の席を見つめていたかもしれない。
「ちゃんとオチはあるんだろうな」
「驚くなよ。素晴らしい話だぞ」
そう言って、横田は胸ポケットからピンク色の紙を取り出した。
「この手紙、さっき俺の靴箱の中にあったんだよ」
「で、誰から?」
「美優ちゃんからだよ。ラ・ブ・レ・ター」
横田は僕の耳元で囁く。
「実は、嘘ですなんてオチじゃないのか?」
少なくとも僕の声は震えていただろう。
地震で例えると、震度7強ぐらいの震えだったかもしれない。
ー続くー
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