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エリザベスドール?(41)

[432]  ぐうりんぼ  2009-01-12投稿
 すぐにモグレ警部は、正門付近で待機している警察官たちに指示を出した。

 ―――――――――\r

「ルーク、本当に顔色悪いぜ」

 近くのベンチにグッタリ腰掛けるルークを見て、ジョージは心配する。

「大丈夫だよ」

 相変わらず、何もない事を強調するが…

 ジョージには、ルークの異変に気づいていた。

 ふと、今の状況が頭によぎったジョージは質問してみた。

「もしかして、人形の事で何か悩んでいるんじゃないか?」

「な、何もないよ」

「正直に言えよ」

「正直に言ってる」

 溜め息付くジョージ。

「なあルーク、君が隠し事したって僕を誤魔化せないんだぜ」

「何が言いたい?」

「僕には分かるんだ。
 君の…
 どこか、落ち着きのない表情。誰かに対する怒りの眼差し。まるで…
 何者かに、誘惑されているみたいだ」

「だーかーら!」

「ルーク!」

「…」

「何者かに、誘惑されているんだろう?」

 しょうがねえなと言う態度でルークは言う。

「エリザベスだ」

「エリザベスが、どうかしたのか?」

「さっきから、俺の耳にエリザベスの声が聞こえて来るんだ。
 まるで…、耳元にささやくようにね」

「僕には聞こえない」

「聞こえるのは俺だけかもしれない」

「人形は何て、言ってるんだ?」

「私を助けてとか、今でも愛してるとかね」

 思わず、背筋がゾッとなるジョージ。

「何てこった。化け物人形に惚れられてしまったのかァ!」

「一時期は、俺をも殺そうしたのに」

「今でも、愛する気持ちは変わっていなかった」

「こっちはホント、イイ迷惑だよ」

「その気持ちは、よく分かるよ」

「どうしてなんだ?」

「何が?」

「今まで、エリザベスの声が遠くから聞こえて来る事なんてなかったのに。妙だ」

「きっと、ローズマリーのせいだな」

「ローズマリーが?」

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