ラビリンス〜最終話〜
俺はただずっと炎が燃え広がっていくのを呆然と見ていた‥
過去の俺はすでに家を去り、どこかへと
消えていく。目の前にはベティと幼い兄弟の息子達が炎の渦に呑まれ、黒こげになっていくのが見えた‥
「分かった?」
突如と現れたベティは言った。
「なるほど‥俺がお前を殺した…」
「そうよ‥あなたは自分が分からないようね‥愚か‥」
ベティは冷たい眼差しで見つめている… 俺は何故か彼女のそんな眼差しを見ると
ある種の戦慄を覚え始めてきた…
「お、俺はどうすれば‥」
「……」
その時だった、燃え盛る部屋から
一瞬にして再び別の場所に切り替わる。
そこは、何もない真っ暗な空間である‥
それでもベティの周りだけは光に包まれベティは輝いて見えた‥
そして、ベティの背後からは2つの光輝く者が現れる。
「まさか‥」
その2つの光輝く者とはまさしく、俺が手にかけた幼い兄弟達である‥
兄弟達はベティと手をつなぎ、とても笑顔であった。
「アンディ…あなたは捕らわれたのよ‥それはあなたが望んだこと‥だから‥覚悟は出来ているわね?」
「何!?」
すると、ベティ達の背後で物凄い光を発する扉が現れた!
そしてベティ達はその扉に向かって歩いていく‥
「お、おい!」
俺はベティ達を追いかけようとしたが‥
「体が‥動かない‥」
俺の体は全く動かなかった…
そうしているうちにベティ達はどんどん遠ざかっていく‥
「待ってくれ!!おい!」
ベティは扉の前までくると、振り返り
俺に言う…
「哀れな人……そこからは一歩も動けないわ‥そこで自分の愚かさを思い知るがいいわ‥」
そう言うとベティは扉を開け、中へと入っていく‥
「ふざけるな!おい待て!」
ついにベティ達は完全にいなくなり、扉もそれと同時に消滅した‥
「ベティーッ!ベティーッ!うぁぁー!」
扉が消え、ベティ達がいなくなり再び完全な暗闇に俺は一人放置される…
体も動かせない…
俺に出来る事‥
それは…ただひたすら死を待つのみ…
「うぁぁぁぁ!ベティ!
ぐぅぅぅ! ベティ!ベティ!ベティ!
ベティーッ!!!!」
終…………
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