何歳(いくつ)になっても(10)
第10話
しばらく沈黙が続き、賢介は真剣な顔で聞いた。「で、どうしたら良いんだ?」「二次会も、間もなく終わるから、それから、1時間か2時間で良いの、一緒にいてあげて。それから、賢介の事は、雄二(菊地)に頼んであるから」と言うと二人は雄二の方を見た。ボックスにいた雄二は、右手を高く上げて、指でOKのサインをして笑っていた。「お前たちは、本当に段取りが良いな!感心しちゃうよ、全く」賢介は苦笑いをしていた。「でも、あんた達のアリバイ工作のお手伝いは、今日が最初で最後だからね!後は自分たちで、責任を持ちなさいよ!」そう言って純子は、翔子の顔を覗きこんだ。翔子の目は、モウロウとしていて、酔っているのか、眠っているのか分からなかった。「翔子、大丈夫?賢介がもう少し一緒にいてくれるって!」翔子は軽くうなずいた。
二次会も解散となり、それぞれが、再会を約しながら帰って行った。
スナックには、翔子と賢介、純子と雄二の4人が残った。翔子はマスターから水をもらって飲むと、少しだけ正気が戻ってきた。「それじゃあ出ようか?外の空気吸ったら、酔いも覚めるかもな」賢介がそう言って立ち上がると、翔子も立った。「ところで、お前たちはどうするんだ?これから。何か怪しいな!」「何言ってるのよ。私たちはもう、高校を卒業すると同時に終わったの!今日は久し振りだから、一緒に飲むだけです。さあ、行った行った!」二人は、純子と雄二に追いたてられるように、スナックを後にした。
外の空気は、冷たかったが爽やかだった。「少し休んで行こうか?」賢介は、翔子を抱き抱える様に、ホテルへ入って行った。
部屋へ入ると翔子は、口を押さえながら洗面所へ急いだ。賢介は、あわてて後を追い、翔子の背中を優しく擦った。「大丈夫か翔子。少し飲み過ぎたなあ」賢介は優しく言った。翔子は口を濯ぎながら、コックリとうなずくと、賢介の方を向いて抱きついてきた。何年振りの抱擁だろうか。忘れていた、お互いの感触が蘇った。賢介は翔子を抱き上げてベッドへ運んだ。ところが翔子は、既に眠っていた。賢介は、翔子をそのままベッドに寝かせ、冷蔵庫からビールを取り出すと、ソファーに腰を下ろし、一気に飲み干した。そしてタバコに火を着け、その煙をボンヤリと見つめていた。(そう言えば、成人式の夜も翔子が飲み潰れて、こんな感じだったなあ)
いつしか賢介もソファーで眠ってしまった。
しばらく沈黙が続き、賢介は真剣な顔で聞いた。「で、どうしたら良いんだ?」「二次会も、間もなく終わるから、それから、1時間か2時間で良いの、一緒にいてあげて。それから、賢介の事は、雄二(菊地)に頼んであるから」と言うと二人は雄二の方を見た。ボックスにいた雄二は、右手を高く上げて、指でOKのサインをして笑っていた。「お前たちは、本当に段取りが良いな!感心しちゃうよ、全く」賢介は苦笑いをしていた。「でも、あんた達のアリバイ工作のお手伝いは、今日が最初で最後だからね!後は自分たちで、責任を持ちなさいよ!」そう言って純子は、翔子の顔を覗きこんだ。翔子の目は、モウロウとしていて、酔っているのか、眠っているのか分からなかった。「翔子、大丈夫?賢介がもう少し一緒にいてくれるって!」翔子は軽くうなずいた。
二次会も解散となり、それぞれが、再会を約しながら帰って行った。
スナックには、翔子と賢介、純子と雄二の4人が残った。翔子はマスターから水をもらって飲むと、少しだけ正気が戻ってきた。「それじゃあ出ようか?外の空気吸ったら、酔いも覚めるかもな」賢介がそう言って立ち上がると、翔子も立った。「ところで、お前たちはどうするんだ?これから。何か怪しいな!」「何言ってるのよ。私たちはもう、高校を卒業すると同時に終わったの!今日は久し振りだから、一緒に飲むだけです。さあ、行った行った!」二人は、純子と雄二に追いたてられるように、スナックを後にした。
外の空気は、冷たかったが爽やかだった。「少し休んで行こうか?」賢介は、翔子を抱き抱える様に、ホテルへ入って行った。
部屋へ入ると翔子は、口を押さえながら洗面所へ急いだ。賢介は、あわてて後を追い、翔子の背中を優しく擦った。「大丈夫か翔子。少し飲み過ぎたなあ」賢介は優しく言った。翔子は口を濯ぎながら、コックリとうなずくと、賢介の方を向いて抱きついてきた。何年振りの抱擁だろうか。忘れていた、お互いの感触が蘇った。賢介は翔子を抱き上げてベッドへ運んだ。ところが翔子は、既に眠っていた。賢介は、翔子をそのままベッドに寝かせ、冷蔵庫からビールを取り出すと、ソファーに腰を下ろし、一気に飲み干した。そしてタバコに火を着け、その煙をボンヤリと見つめていた。(そう言えば、成人式の夜も翔子が飲み潰れて、こんな感じだったなあ)
いつしか賢介もソファーで眠ってしまった。
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