携帯小説!(PC版)

トップページ >> ファンタジー >> 時と空の唄11-12

時と空の唄11-12

[309]  花神ミライ  2009-01-18投稿

シンとした空間にランスォールの声がカラリと響いた。
呼び慣れた名前なのになんだか声が微かに震える。
「………っ!」
呼ばれ慣れた名前にシーラは動揺し、身を隠すように狩人の後ろに引っ込んだ。「シーラ?」
フォーが問い掛ける。
彼女の瞳は哀しそうに、泣きそうなほど潤んでいて、まるで彼に会うことを恐れているようだった。
「シーラ、聞いてくれ。」
「ごめんなさい。」
小さな肩が震える。
「…シーラ。」
ランスォールが踏み出すとシーラは僅かに後ずさる。「ごめんな、シーラ。」
たったそれだけの言葉なのに、シーラの肩から震えが止まった。
「ランス、ありがとう。
でも、ダメだわ。私、もう貴方とはいられない。」
「…どうして?」
「だって、私、貴方のお母様を…」
「殺した、って言いたいのか?」
シーラは答えない。
「もう、自分を責めるなよ」
泪が、溢れた。
言葉が胸に刺さって痛い。詞が胸に染みていく。
泪が、頬を伝う。

「赦されていいのかな…
こんな私が…みんなといていいの…?」
「許すも許さないも、シーラは最初から何もしてないだろ?」
一歩一歩、ゆっくりと歩んでくる。
「な?シーラ。」
「ランス…」
瞼が熱い。
シーラはランスォールの胸にしがみつき、声を上げて泣いた。


感想

感想はありません。

「 花神ミライ 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス