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借金の女王

[214]  雨のち晴れ  2009-01-18投稿
結婚は早かった。23さい。職場で一回り上の人と。
もちろん運命的な出会いを感じたわけだけど、何よりもこれで家から逃げ出せる喜びのが大きかった。
両親は小さい飲食店を経営していたけれど、父親は麻雀に明け暮れ店を放置し何日も帰宅しないこともしばしば。そのたびに長女の私は中学生のときにはすでに夕方から明け方までその小さい店の手伝いをしていた。それから寝ずに学校へ通っていたんだからその後の人生少しご褒美があってもよかったと思うのだけど。とにかくお金を稼ぐことがどんなに大変か、体からイヤというほど感じていた…はずだった。
あんまり信じたくはないけれど宿命?みたいなものってあるのでは?と思ってしまうことがある。お金を持つと絶対に0円になるまでお金が必要となってしまうのだ!節制しないからだろうと言われるだろうが、高校生のころはお弁当代含め一万円、専門学校の時はバイト代のみ、だからたいしたものを買っていたわけでもない、というか買えなかった。
私を出産し退院する時、そのお金が支払えず、時計を質に入れてお金を作ってくる父親を、寒い病院の玄関で私を抱きながら待っていたというのだから、その後に起こる人生の幕開けにはぴったりだったかもしれない。

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