奈央と出会えたから。<309>
『んとね、線分ADは∠BACの二等分線だから‥‥
∠BAD=∠CADになるのね、
これがまずひとつ。』
『ほおぉ〜〜っっ。』
『BD//ACで平行線の錯角は等しいから、∠BDA=∠CADになるの、これがふたつ目。』
『ふぇ〜〜い。』
『‥‥で、今のふたつのコトから、
∠BAD=∠BDAになるの。
で、△ABDはBA=BDの二等辺三角形であるってワケ。
分かる‥‥かな?!』
『ふあぁぁぁ〜〜‥‥‥‥‥。』
『聖人?!聞いてる?!』
『ん〜〜‥‥ねみぃ‥‥‥。
分かんねぇよ‥‥。
これから大人ンなってから必要あんのかよ“証明せよ”とかなんてサ。
そう思わね?!』
眠そうな瞳で、あしの顔は覗き込まれる。
『う‥‥うん。』
顔を上げると、
目の前には、
すぐ、
あなたの顔。
『俺さぁ、マジ勉強すっから。』
『うん。一緒に頑張ろうねっっ!!』
『でも、こんなに勉強したら、途中でエネルギー切れになるかもしんね。』
『あはは。じゃあ、エネルギー補給しなくちゃね。』
『補給して。』
突然キスされたから、
少しだけ、
びっくりした――
西日がさしはじめた教室で、
あなたとあたしの、
横顔が作り出す影は、
静かに、
ゆっくりと、
重なり合った――
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