エンブレム〜序章〜?―?
この声の主を慎弥は一人だけ知っていた。
「ま…こ…と…さん…」
……柊誠だ。
「アチチ、はあ…ビックリした。――チッ、また新しいの作らなきゃな」
パキッと炭と化した腕を男は折り取り呟いた。
「――短い言霊で随分と威力の高い技だな…。色遣いの異名は伊達では無い…かな、少佐さん?」
「それほど有名になった憶えないんですけどね…見知らぬ破壊者さん?」
穏やかな口調でお互い会話していたが、そこには確実な敵意が存在していた。
特に、誠からは今まで感じたことが無いほどの殺意が迸っていた。
「…あんたの目的は何ですか?…こんなことをして、タダで済むと思っているんですか?」
細身の剣を男に向けたまま誠は言った。
「別に、この村自体に個人的な私怨はないさ。単なる依頼関係上だ」
肩をすくめ男は答えた。
「依頼?」
「ああ、ある少女を取り返してくれって内容」
男はあっさりと渋る様子もなく答えた。
「…随分とあっさりと答えてくれるんですね」
「まあな、それくらいの親切しないとこんな業界じゃやってけないからな」
パチンと指を鳴らすと男の両端の地面から人形が姿を現した。
「ま…こ…と…さん…」
……柊誠だ。
「アチチ、はあ…ビックリした。――チッ、また新しいの作らなきゃな」
パキッと炭と化した腕を男は折り取り呟いた。
「――短い言霊で随分と威力の高い技だな…。色遣いの異名は伊達では無い…かな、少佐さん?」
「それほど有名になった憶えないんですけどね…見知らぬ破壊者さん?」
穏やかな口調でお互い会話していたが、そこには確実な敵意が存在していた。
特に、誠からは今まで感じたことが無いほどの殺意が迸っていた。
「…あんたの目的は何ですか?…こんなことをして、タダで済むと思っているんですか?」
細身の剣を男に向けたまま誠は言った。
「別に、この村自体に個人的な私怨はないさ。単なる依頼関係上だ」
肩をすくめ男は答えた。
「依頼?」
「ああ、ある少女を取り返してくれって内容」
男はあっさりと渋る様子もなく答えた。
「…随分とあっさりと答えてくれるんですね」
「まあな、それくらいの親切しないとこんな業界じゃやってけないからな」
パチンと指を鳴らすと男の両端の地面から人形が姿を現した。
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