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箱の中の新聞記者5

[594]  エグテラ  2009-01-23投稿
男は戦慄した。
足が震え、冷や汗が体全身を這う。
汗が冷たいのか、部屋が寒いいのか身震いする。
ドアはカギがかかっていて、窓はない密室状態。
俺は…箱の中に閉じ込められたのか…

吐き気を我慢し、眠っていたベッドに腰掛け、深呼吸をする。
(お…落ち着け…こんな一人な状況は毎日だろ…ただカギが開かないだけ…)
今回の「だけ」は「だけ」というレベルではない。
命に関わる…
俺をここに閉じ込めたのは恐らく気絶させた奴だ。
誰が?何のために?
そんなことは後でゆっくり考えるとしよう。
携帯は圏外…持っていた荷物は紛失…外部への連絡は取れず。
最悪なことに明日は休暇だ。
明日も仕事なら1日でも早く会社側が異変に気づいて捜索願いを出すはず…
希望は薄い。もしかしたら会社とは凄まじく離れているかもしれない…

とにかく考えてたどり着く答えは全て一致。
「この部屋から脱出せよ」

立ち上がって家具を調べる。部屋の端にタンス、後ろには俺が気絶していたベッド、ドアと反対方向にはデスクがある。
タンスを弄ってみると、壁の血痕と同じ色のチップがあった。
カギでも入ってないかと期待したが、こんなところにチップがあるのはおかしい。
俺は見つけた物をベッドの上に置いていくことにした。
タンスの中の引き出しを空けるとお望みの銀色のカギを見つけた。
すぐに手にとってドアまで走る途中にカギ穴が無いことを思い出す。
(クソ…)
別の引き出しにカギ穴があったがカギが違うようだ。
タンスの奥にメモのような物がある。
『死こそ全てなり』
思わず破りたくなったが下にまだ何か書いてある。
『寒砕語羅惨侘』
これは暗号か?
「さむくだごらさんた?」
情けない声を出しながら読んでみた。整列に意味はあるのか…
上の言葉は見たくもないが謎が解明できないまま破ることはできない。
後回しにしてタンスを調べていると一つの引き出しの中に金のカギがあった。
カギは二つ目だ。先ほどダメだった引き出しのカギ穴に差し込んで見るとカギが開いた…
ゆっくりと開け、中を見ると変わったデジカメが出てきた。近くに何百ものフィルムが立ててあった。もはや意味がわからない。
カメラに何か細工がしてあるのか…
あの紙の暗号は何なのか…
閉じ込められて一時間
全てが謎のままだ…

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