昔の彼女(7)〜回想6〜
---学校---
時刻。7:30
「えっと、これはこの公式で…」
「あっ、そか、なるほど…」
俺達は黙々と勉強してた。
昨日と変わりなく…
と言うより変わらないように…
でも、言わなきゃな。
「……あのさ、昨日の事、聞かなかった事にするから、俺、彼女いるし…」
俺は問題を解きながら目も合わせず言った。
「…佐野君?
振られるのはわかってたけど、覚えていて欲しい…
それに、目見て言ってよ。」
ガタっ、藤宮が立ち上がる。
クイっ。
俺のアゴを手で上げて言う。
てか、近いっ!!
近すぎだから…
???
藤宮の顔、なんか近付いてくる?
「あ、ちょっと…」
俺が言いかけた時…
《バンっ。》
誰かが鞄を落とした音?
一体誰が?
俺は嫌な予感をしつつ横目でその人物を見る。
そこには…
顔を真っ赤にしながら涙目の由美がいた。
由美がもの凄い勢いで背中を向けて走って行く。
「あ、ちょ、待てって!!」
俺は藤宮をふりほどいた。
「あ、佐野君っ」
由美の鞄を取って、すぐさま追い掛ける…
「はぁ、はぁ。」
俺は由美の腕を掴んだ。
「おまえ、足速いな…はぁ…」
「さっき何してたの?キスしてるように見えた。」
由美は涙を堪えてるんだろう、声が震えてる
「ち、違うっ。藤宮が俺の事、好きとか言ってて、でも俺何もしてないから…」
なんて言えばいいかわからない。
上手い言葉が出てこない。
「き、昨日。何も言ってくれなかったじゃん。様子、変だったから、何かあったと思ったけど、としかず何も言ってくれないじゃん!!」
「…ごめん。
昨日は悪かったけど、俺の事、信じろよ。」
「信じてるよ…。
でも、苦しい。
ヤキモチやいてばかり、信じてるけど不安なの。こんな自分嫌い…こんな気持ち知らなければ良かった。」
「何、マジで言ってんの?」
何も伝わらない気持ちに俺もイライラしてきて…
結局、その腕を離してしまった。
付き合い始めの頃、離さないと約束したのに。
好きだって言う気持ちだけでやってけると思った、ガキだったから…
相手を思いやる事も出来なかった。
大切な人…
改めて気付いたのは、キミが隣にいなくなった日から…
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