DREAD 『夢』
専業主婦のサラはとても順風満帆な生活を送っていた。いつものように朝食を終え、会社に行く夫を見送り専業主婦としての仕事に従事する。
いつもそういう流れで1日は過ぎ、毎日が平穏な日々だった。
だがある日彼女は毎回同じ内容の夢を見るようになる。その内容とは、決まって夜中に夫と喧嘩をしているというものだった。その夢はいつも、自分が夫に包丁を向けるという所で終わり、なんとも気味の悪い夢であった。
夫とは今まで喧嘩など一度もしたこと無いし近所からは仲の良い夫婦として知られ、とても評判が良かったのだ。
「所詮は夢よね」
サラはそう考え、夢のことなど深く考えないようにした。
ある日、サラはいつものように朝食の時間を夫と過ごしていた。
「サラ、今日は何の日か覚えている?」 満面の笑みでサラは答えた。
「ふふふっ、当たり前じゃない。
今日は私達の結婚記念日でしょ?」
そう、この日は二人の結婚記念日だったのだ。夫はなるべく仕事を早めに終わらせ、帰宅したら高級レストランでディナーを楽しもうと約束してくれた。
サラは大変喜び、夫をいつもの数倍の笑顔で見送った。
昼頃、サラに急に眠気が襲い彼女はソファーで昼寝をした。だが、やはりあの夢を見ることになるサラ‥いつもと同じ展開で進んでいく夢‥サラはいい加減飽きていたが今回は違っていた。いつもなら夫に包丁を向けて終了するはずが、まだ終わらない‥ついに夢の中のサラは包丁で夫をズタズタに引き裂き、滅多刺しにし、夢の中の彼女は気が狂ったように夫をひたすら刺し続けた…
そこで夢は終了し、目覚めた彼女は全身汗びっしょりであり、目覚めると既に夜の8時を廻っていた。
「ハァ、ハァ…な、何なの‥」
そう呟くと彼女はコップに水を注ぎ、それを飲み何とか心を落ち着かせた。それから間もなく玄関のほうから扉を開ける音がしたので彼女は夫だと思い、駆けつけた。だが…そこには…全身血だらけで体中に刺し傷があり、そこから大量の血を流しながら横たわっている夫がいた… 「キャアァァーッ!どうしたの!?」
サラが大声で叫びながら言うと夫は…
「お…お前だ……お前がやった…許さない…」
夫はそう言うといきなり立ち上がり包丁をサラに向けた。腰が抜けて動けないでいるサラに容赦なく包丁を振り下ろす夫…それからも夫は何度も刺し続けた…サラは死に、夫も力尽き死亡する…
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