エンブレム〜序章〜?―?
「刺殺と炎殺を同時にすることが出来るんですよ?これ程拷問に近い殺し方が少しの手間で出来るんです。貴方には…私にそれを強いる資格があります」
「…」
俺はゆっくりと彼女の束縛を振り払い右手を自由にした。
「――しませんよ…そんなこと。いや、出来ませんよ、と言った方が正解ですね」
そう言うと幸姉は少し驚いた顔をした。
「…何故ですか?私が憎くはないんですか?私を殺したいとは思わないんですか?」
「ええ、全然思いません…。…だって…幸姉が一体何をしましたか?」
「…」
「ただ、何もしなかった。
ただ、起こることに目を瞑っていた。
ただ、ゆっくりと傍観していた。
つまりは、ただ黙認しただけって事です。そんな人を責める必要は無いでしょう?」
「…」
「俺が許せないのは…全てを奪ったあいつと、全てを招いた自分だけです」
俺の軽率だった行動、それら全てがこのような結果を招いた。だから、殺されるべきは俺。憎まれるべきは俺。少なくとも…俺はそう思っている。
「…変わってませんね…貴方は、本当に…。あの時から、今まで」
そう言って幸姉は笑った。
それはいつも俺たちに向けてくれる笑顔だった。
「…」
俺はゆっくりと彼女の束縛を振り払い右手を自由にした。
「――しませんよ…そんなこと。いや、出来ませんよ、と言った方が正解ですね」
そう言うと幸姉は少し驚いた顔をした。
「…何故ですか?私が憎くはないんですか?私を殺したいとは思わないんですか?」
「ええ、全然思いません…。…だって…幸姉が一体何をしましたか?」
「…」
「ただ、何もしなかった。
ただ、起こることに目を瞑っていた。
ただ、ゆっくりと傍観していた。
つまりは、ただ黙認しただけって事です。そんな人を責める必要は無いでしょう?」
「…」
「俺が許せないのは…全てを奪ったあいつと、全てを招いた自分だけです」
俺の軽率だった行動、それら全てがこのような結果を招いた。だから、殺されるべきは俺。憎まれるべきは俺。少なくとも…俺はそう思っている。
「…変わってませんね…貴方は、本当に…。あの時から、今まで」
そう言って幸姉は笑った。
それはいつも俺たちに向けてくれる笑顔だった。
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