エンブレム〜序章〜?―?
「解ってはいました、初めて逢ったあの時から…。貴方の存在は…私を本当に狂わせてくれます」
「……そうかもしれませんね」
そう言って俺はそっと屋上の扉に手を掛けた。
「――行くんですか?」
背中越しに幸姉が問い掛ける。
俺は無言で頷いた。
「何処に居るか解っていますか?」
「…いえ…」
俺は首を振った。
「…教えて差し上げましょうか?」
「…え」
その言葉に俺は思わず振り返った。
「…ふふ、まさか私の口からそんな言葉が出るとは思いもしませんでしたか?」
「…まあ…正直言えばそうですね。…でも、良いんですか…?そんな――関わるような真似をして」
「私が関わっては駄目と言われたのは崩壊までの出来事です。――そこから先は一切の指示は受けてません」
シレッと幸姉はそう言って唇の端を少しつり上げた。
「…幸姉…」
「気に為さらないで下さい、全ては私の一存です」
ニコッと幸姉は笑って言った。そして何か思い出したかの様に胸の前で手を叩いた。
「…そうだ…これを持っていってくれませんか?」
幸姉はポケットから掌サイズのものを取りだし俺に握らせた。それは、御守りのようだった。
「……そうかもしれませんね」
そう言って俺はそっと屋上の扉に手を掛けた。
「――行くんですか?」
背中越しに幸姉が問い掛ける。
俺は無言で頷いた。
「何処に居るか解っていますか?」
「…いえ…」
俺は首を振った。
「…教えて差し上げましょうか?」
「…え」
その言葉に俺は思わず振り返った。
「…ふふ、まさか私の口からそんな言葉が出るとは思いもしませんでしたか?」
「…まあ…正直言えばそうですね。…でも、良いんですか…?そんな――関わるような真似をして」
「私が関わっては駄目と言われたのは崩壊までの出来事です。――そこから先は一切の指示は受けてません」
シレッと幸姉はそう言って唇の端を少しつり上げた。
「…幸姉…」
「気に為さらないで下さい、全ては私の一存です」
ニコッと幸姉は笑って言った。そして何か思い出したかの様に胸の前で手を叩いた。
「…そうだ…これを持っていってくれませんか?」
幸姉はポケットから掌サイズのものを取りだし俺に握らせた。それは、御守りのようだった。
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