エンブレム〜序章〜?―?
「これは…?」
見た感じ、それは何処にでもあるような普通の御守りだった。
「それを…これから先いつ如何なる時も身に付けておいてください。…絶対に無くさないで下さいね…」
神妙な面持ちで幸姉は言った。
「何故?」と聞き返すと幸姉は人差し指を口許に持っていき「…内緒です」と答えた。
「――それじゃあ行きましょうか。解っているとは思いますけど私が出来るのは案内までです。そこから先は一切手出ししません」
「うん…分かってる」
「…なら良いです。それじゃあ私は先に降りてますね」
カチャリとドアノブを回し幸姉は扉の向こうに消えていった。
俺も後に続こうとしたが、少し気を変えて、もう一度此処から見える景色を見た。
「…」
焼け爛れた森。
崩壊した家屋。
焼けた地面。
。
皆から日常を奪い取った。
皆から幸せを奪い取った。
――これが、俺の罪。
「……さよなら…今まで、お世話になりました…」
俺はそう小さく呟き恐らく最後になるであろう景色から目を逸らし屋上を出た。
見た感じ、それは何処にでもあるような普通の御守りだった。
「それを…これから先いつ如何なる時も身に付けておいてください。…絶対に無くさないで下さいね…」
神妙な面持ちで幸姉は言った。
「何故?」と聞き返すと幸姉は人差し指を口許に持っていき「…内緒です」と答えた。
「――それじゃあ行きましょうか。解っているとは思いますけど私が出来るのは案内までです。そこから先は一切手出ししません」
「うん…分かってる」
「…なら良いです。それじゃあ私は先に降りてますね」
カチャリとドアノブを回し幸姉は扉の向こうに消えていった。
俺も後に続こうとしたが、少し気を変えて、もう一度此処から見える景色を見た。
「…」
焼け爛れた森。
崩壊した家屋。
焼けた地面。
。
皆から日常を奪い取った。
皆から幸せを奪い取った。
――これが、俺の罪。
「……さよなら…今まで、お世話になりました…」
俺はそう小さく呟き恐らく最後になるであろう景色から目を逸らし屋上を出た。
感想
感想はありません。