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恋の迷宮?

[292]  超ナタデココ  2006-07-03投稿
「とにかく…急がなくちゃ。 あ!こっちかも。」
不意に見えてきた明るい道に駆けていく。
と、その時丁度彼女に向かってチャリが疾走してきた。
キキィィィィ!!


雨の音の旋律を乱すそれがなり響く。
ブレーキ音を最大限に鳴らすと、自転車は彼女の前で止まった。
自転車がぶつからなかったのを確認し、夏美は恐る恐る目を開ける。
視界に、ブレーキを握り締めた男子が入ってきた。

「おい!いきなりあぶねぇだろ!
 ……って…!夏美!?」
男子の声に、夏美はぱっと彼の顔を見た。
彼女同様、陸上部一年の男子だ。
驚いて、それでいて戸惑ったような表情が窺える。
「あ〜、冬樹くんこんなとこで何やってるの?もしかして迷子?」
夏美の言葉に男子――冬樹は首を横に振る。
「ち……違、別にそんなんじゃねぇよ」
ぶっきらぼうな否定の言葉に、夏美はなんだと肩を落とした。
そして、雨の音に消えるような小さなため息をつく。
「あれ、せっかく仲間ができたと思ったのにぃ…
 じゃ道教えてくれる?
 学校行きたいんだケド、競技場からじゃわかんないや」
夏美の頼みに、彼は一拍程悩むと今度は首を縦に振った。
自転車を方向転換しながら、顔だけを彼女の方に向ける。
「とりあえず俺についてこい、あと使えよ。」
自転車に挿していた傘を取り出すと、夏美に差し出す。
夏美はそれを受け取ると、天上へと向け開く。
夜の色に似た紺の傘が、バッと広がった。
雨が傘をうち、多少虚しさを感じさせるような音を奏でる。
「あ、ありがと。傘差し運転は危ないからね、うちが預かっとく」
素直になれよ、という意味の舌打ちをしつつ、冬樹が頷く。
そして、冬樹先導の下、二人は学校へと向かった。

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