携帯小説!(PC版)

トップページ >> ノンジャンル >> 冷たい小人のうた

冷たい小人のうた

[770]  hiro  2009-01-25投稿
これは、誰かが拾った手紙……。

《大きな人間へ。
どうせ信じないだろうけど、私たちは身長が10センチしかない。
それに比べて、お前たち人間は私たちより10倍以上も大きい。
それなのに頭が悪い。お前たちを見ると、いつも嫌な気分になる。
だから時々、お前たちを懲らしめる。
例えば、道路に落ちている『岩』。
あれは私たちが協力して仕掛けたんだ。直径5センチもある岩も仕掛けた。
踏んだりすると痛いだろ?
あとは、『花の密』だ。
実はミツバチに頼んで、花から密を隠しとってもらっている。
花から密がとれなくて困ってるだろ?
私たちの大切な食糧をお前たちにはやれん。
それから、『川の水』だ。
私たちは川に潜って汚いものを取り除く。
川の水が光を反射して眩しいだろ?
それが嫌だから川を汚しているんだろ?
あと、『雑草』は抜かないでほしいものだ。
私たちが緑を増やすために種を植えているんだ。
雑草にだって命はある。少しは考えてくれ。
最後に、頼みがある。これだけは聞いてほしい。
夜に空を見上げればわかるけど、
『月』は見えるか?
月は私たちの宝物。神様からいただいたのだ。
だから、それだけは汚さないでもらいたい、お願いだ。
最近濁って見えるのはお前たちのせいだろ。
月の光が眩しいからわざと濁らせてるのか?
お前たち人間ならできるはずだ。私たちの何倍も大きいんだ。
どうか、私たちの宝物を協力して守ってほしい。
ただ、それだけのことだ。
さよなら。
冷たい小人より》

「誰だ?こんな手紙を書いたのは!」
その時、白い花から小さなミツバチが飛びだした。
「頼まれたんです」
と、言い訳をして逃げていくかのように。

感想

感想はありません。

「 hiro 」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス