DREAD 『近所の人達』
新居に引っ越してきた夫婦。
閑静な住宅街に位置し、以前とは全く違うとても落ち着いた生活を送れるということから夫婦は大変喜んだのだった。妻のシンディはその日の夕食を豪勢なものにし、夫婦共に新居での新たな生活に明るい希望を持った。
引っ越して次の日の朝、シンディは会社に行く夫を見送ると近所の人達に挨拶して回った。
「あの、すいません、私昨日引っ越してきましたシンディ・カーライルです。宜しくお願いします」
そう言って挨拶して回ったものの、誰もシンディに耳を傾ける者など居らず、皆シンディを無視していた。そんな近所の人達の態度に腹をたてながらも挨拶して回るシンディ…やはり誰も相手にはしてくれない‥呆れたシンディは自宅へ戻り、先程の事を考えていた。
「はぁ‥何かいけない事したかしら‥」
頭を抱え、ソファーに横たわるシンディ。そうしているうちにシンディは深い眠りについた。
「シンディ、シンディ」
耳元で囁かれ、目を覚ますシンディ。
「あら…帰ってたの」
夫が言うには既に夜の7時を廻っておりシンディは急いで夕食を作る。そして、夕食を済ませ二人は眠りについた。
夜中の2時頃、シンディは突然目を覚ますと、異常に喉が渇いていたので階段を下りコップに水を注いだ。その時、シンディは妙な気配を感じ取る‥すぐさま辺りを見渡すが、家の中には誰も居ないようである。だが、シンディは気付いた‥ 窓から外を見ると、何と近所の人達が夜中にも関わらずみんな自宅から出てシンディの自宅を取り囲むようにしてこちらをずっと鋭い眼光で見つめているのだ… 動く気配は無いが、只ずっと鋭い眼光でこちらを見つめている‥
「あ‥ああ…何なの‥」
すると、夫も階段を降りてきて驚く‥
「シンディ‥これは‥」
呆然と立ちすくみ、窓を見つめる夫…
すると夫はいきなり自宅を飛び出していく。
「あなた!」
シンディは思わず叫んだ…次の瞬間…夫の悲鳴が木霊する‥
「はぁ‥はぁ‥」
恐怖で体が硬直するシンディ‥
その直後、夫が開けっ放しにしていった扉から近所の人達の一人が自宅に侵入した‥その男は顔面いっぱいに広がる大きな口を思いっきし開き、シンディに食らいついた…
感想
感想はありません。