猫とお婆さん
今年で米寿になる
私も長い間生きてきた…
でもそろそろお迎えが来る
立派な門構えに厳格漂う屋敷の庭先で腰を掛けているお婆さんの隣には猫が日向ぼっこをして気持ち良さそうに眠っている
「そろそろなんでしょ?」「ああ、明後日には迎えに逝くよ」
お婆さんは10年前に亡くなった旦那と喋っていた
「最近じゃお粥さえ喉を通らなくなって顔もげっそり痩せてしまってねぇ」
「ああ…」
「もうそろそろ来る頃だと思っていたのよ…」
満月がきれいな夜だった
お婆さんは庭先に座り、月を眺めていた
しばらくして月明かりの影に黒マントで中から見える顔は醜く陰気な佇まいでこっちに近寄ってきた
「今夜の獲物はお前だな」「……」
「な〜んだババアじゃねえかよ」
「……」
「若いやつがよかったな まぁババアでもしゃ〜ないかぁ〜」
その時、飼っていた猫が黒マントに噛みついた
イテテェ〜!
猫は顔をおもいっきり引っ掻いた
黒マントは膝まづきながら影に消えて行った
「コロが助けてくれたんだね!ありがとう!」
そう言って猫を抱きしめた
それからお婆さんは100歳まで長生きしました
『終わり』
私も長い間生きてきた…
でもそろそろお迎えが来る
立派な門構えに厳格漂う屋敷の庭先で腰を掛けているお婆さんの隣には猫が日向ぼっこをして気持ち良さそうに眠っている
「そろそろなんでしょ?」「ああ、明後日には迎えに逝くよ」
お婆さんは10年前に亡くなった旦那と喋っていた
「最近じゃお粥さえ喉を通らなくなって顔もげっそり痩せてしまってねぇ」
「ああ…」
「もうそろそろ来る頃だと思っていたのよ…」
満月がきれいな夜だった
お婆さんは庭先に座り、月を眺めていた
しばらくして月明かりの影に黒マントで中から見える顔は醜く陰気な佇まいでこっちに近寄ってきた
「今夜の獲物はお前だな」「……」
「な〜んだババアじゃねえかよ」
「……」
「若いやつがよかったな まぁババアでもしゃ〜ないかぁ〜」
その時、飼っていた猫が黒マントに噛みついた
イテテェ〜!
猫は顔をおもいっきり引っ掻いた
黒マントは膝まづきながら影に消えて行った
「コロが助けてくれたんだね!ありがとう!」
そう言って猫を抱きしめた
それからお婆さんは100歳まで長生きしました
『終わり』
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