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タイムマシン

[532]  さきざき ひろ  2009-01-26投稿
今は西暦2235年、私はもう72歳の老年になってしまった。
だが、やっとここに完成した。夢にまで見たタイムマシンが。

少年の頃に観たアニメや映画、でも科学の発達に空想の物語ではないと信じ、大変な苦労はしたがここまでやって来た。
必ず、時空を超えられると思っていた。信じていた。
周りの人は変人扱いだったが、私は気にもしなかった。
代々の財産を全て注ぎ込むに値する事だと思って…。

それが、やっと完成した。
見た目はただの卵型。
これはあらゆる抵抗から逃れられる形だった。
カプセル型。

いろんな資料で昔の事はわかっている。だが、それが本当の事なのかは判らない。

自分の目で確かめる事が出来るのだ。

いてもたっても居られない。今すぐ始動させよう。

まずは、3000年前にセットしよう。
「スイッチ オン!」

静かなモーター音が始まり、カプセルの周りはまるで虹に囲まれた様…オーロラの中に入った様な感じだった。
やがてモーター音が聞こえなくなった。

セットした時代に着いた音が鳴った。

…驚いた。
「なんだ?これは。失敗だったのか。」
目の前は水の中。見た事も無い生き物がいたが、それどころではなかった。

あわてて、また3000後にセットしてスイッチを押した。
またモーター音がしてオーロラの中。

元に戻ってくれ!と祈りながら…
静けさの中で恐る恐る目を開けた。

驚いてしまった。
マシンは半分水の中だった。
「やっぱり失敗だった。」

しばらく呆然としていたが…
「いや、待てよ。さっきとは風景が違っている。どうしてなんだ?」

大事な事を忘れていた事に気付いていない
大陸は動いている。また、今は一日24時間だが昔は違った。
その時代から帰って来て、その場所はもう水没していたんだ。

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