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君の声、聞きたいよ?

[284]  ゆう  2009-01-29投稿
海に着いた。
すごくきれいだ。
僕らは早速着替えて
ビーチバレーをやった。

亜季は割と身長が低いため、
ボールが届かず、悔しいみたいだ。

おもいっきり遊んだあとは
スイカ割。
翼が見事に割って
みんなでそれを食べた。

亜季はいちばん大きいやつを
食べて満足してた。


みんなそれぞれ海で泳いだり、
海の家で休んでたりしてた。

僕は亜季と一緒に貝殻を拾っていた。
亜季は拾った桃色の貝殻を
嬉しそうに僕に見せた。
なんだか最近、亜季の表情だけ
言いたいことがわかってきた。

『きれいだね、くれるの?』

亜季は頷いて僕に貝殻をくれた。

―――――――\r

…空が赤い。
あの日と同じだ。

亜季も同じことを思ったようだ。
空を見ている。

そんな亜季が愛しくて
思わず『…大好き』って
いった。

亜季は頷いた。

もしも亜季が喋れるならば
どうやって答えただろう。

笑顔で『佳君、大好き』って
言ってくれるだろうな。

僕がずっと亜季を見つめていたためか
亜季は目を逸らしていた。

亜季と目が合ったとき
僕は亜季を抱きしめた
亜季はびっくりしていたが
恐がっていない
震えていない
なによりも温かかった。




帰りの電車はやっぱり貸し切り状態で
でもみんな騒いでいない。爆睡。

あ、でもみんなのイビキは
かなり騒がしいな。

亜季も寝ている。
僕の隣で。

僕によっかかっている
亜季の体温。

声がでなくても、
ちゃんと呼吸をしている。

僕はなんとなく安心したよ。

亜季。

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