携帯小説!(PC版)

PRICE

[322]  こう  2009-01-29投稿

「あー…だりぃ。」

彼の名前はケースケ。現在ニート。
働きたくないが、お金は欲しいというごく普通のニートである。
今月を最後に親からの仕送りが無くなり、来月からどう生活するか悩んでいる。

「どこかに金落ちてないかなぁ。」


「働きたくないけど金は欲しいんだよな〜。」




毎日そんなことを繰り返し考えている内、月の最後がやって来た。

「家賃、光熱費、食費、携帯代、その他を差し引くと手持ちは2万か。キツイな…。」

「…次のニュースです。川で溺れた少年を助けた男性に、警察から感謝状と金一封が贈呈されました。男性は、無我夢中で飛び込みました。助かって本当に良か…」

「ん?金一封?…これだ。」
「人助けで金一封。まさに、一石二鳥だな。」


次の日からケースケは<働き>始めた。

必死になって人助け(金儲け)をするために。


「まずは、犬からでも探してみるか。」


町を歩いていると大きな門にカラーの紙が貼ってあるのが見えた。

「…ん?<この子を見つけてくださった方に、お礼を差し上げます>か。」

「何がもらえるのかな?豪邸だから悪くはないだろ。」

ケースケは犬の写真を写メで撮り、公園に向かった。
公園にでは数人が犬を散歩させていた。



「あのー、すいません。この犬を見かけませんでしたか?」

「…いや、わかりませんね。…すいません。」


「あなたはどうですか?」

「気のせいかもしれないけど、この先の海で見たような気がするわ。」

「そうですか。ありがとうございます。」


ケースケは海に向かった。

海の近くにはたくさんのダンボールハウスがあり、ホームレスがいた。



「…オレは、ホームレスにはなりたくない。」



砂浜を端から端まで歩いたが、犬は見つからない。
海はただ広く、綺麗だった。

砂のなかにちりばめられた宝石も、海に負けないように輝いていた。


「…いないな。やっぱり気のせいだったか。」

「あの家から歩いて30分だもんな。こんな遠くにいるわけ無いか。」


「ワンワン!ワンワン!」


「ん?」


…周りを見渡しても、ダンボールハウスと砂浜と海しか見当たらない。

「けっこう近くで聞こえた気がしたんだけどなぁ…」

「おい、静かにしろよ。こんなまずい飯は食べたくないのか?」

1つのダンボールハウスから声が聞こえてきた。

「あのー、すいません。」

「なんだ?オレになんか用か?


みすぼらしい服を着た男が、可愛らしい子犬に餌をやっていた。

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