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妄想少女 (ドリームガール)

[812]  カプチーノ  2009-01-31投稿
眠たい目をこすり体を起こす。目覚ましを見るとまだ騒ぎだすまでに30分ほどの猶予があった。
「これも家訓だ……。」
二度寝してもよかったけれど目覚ましが鳴ると厄介なこともあり少し早めに家を出ることにした。
手早く用事をすませ音を立てないように家を出る。我が家は父とオレとの二人で構成されており、父親は夜の仕事なので朝は忍び足で家を出るのが家訓だ。
「父親かぁ……。」ため息と共にドアを閉めた。家の父はロングヘアーで化粧もするし爪も長いし………。
「はぁ………。」もう一度ため息をついてマンションを出た。


朝日は白く輝いており、逆光のため山や家が黒く浮かび上がっていて、霧も薄くかかっておりなかなかに幻想的だ。
学校に向かうのだがその途中に橋がかかっている。
遠い昔にお金持ちと平民とを分けるために町を分断するように川の流れを変えて作ったのだ。
昔は川の向こうとこっちとで差別がひどかったそうだが今ではそんなこともない。
でも橋の向こう側……、つまり学校側の家は比較裕福な家が乱立していて、
橋からこっち側……、つまりオレの家側は集合住宅が乱立している。


この橋はどうも貴族と平民の禁断の恋の匂いがするらしく、一緒に○○すると結ばれる系の話しも数多くある。


学校はどうも生徒には是非坂道を昇ってもらいたいらしく、壁のような坂道を毎日昇る。


ここでいつもより早く学校に来たはずの俺に、いつもと同じ挨拶。


「じゃんけんポン!!」


そしていつもと同じ大量生産型流れ作業式ハイテンションハイテンポマシンガントークだ。

「はっはっは〜!!それではいつもどおりミルクセーキを昼休みによろしくね!!それにしてももう何連敗??自己破産しても私のせいにしないでよね!」


どういうわけか「じゃんけん」という世界的平等なゲームにもう何百連敗としてしまっている。というよりこの朝の勝負を始めてから勝ったことが一度もないのだ。
でももぅ疑問のよちもないくらいに毎日の習慣なのでもう一つのの疑問のほうに先に質問することにした。


「マイ…どうしてオレが早く来るって解ったんだ?」

「ランちゃんのことなら何でもわかるよ。」

「その名で呼ぶなッ。」と言うと人差し指でじぶんの頭を指し示したのだった。

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