空と海 ?
空は、ランドセルを抱いたまま眠ってしまった。
海人の母親、富子が思い出した様に言った。
「今日ね、武田のお母さんから電話が来て、今度の日曜日に空を連れて、机を買いに行きたいけど、良いか?って言われたから、お願いしますって、言っといたからね」
「そうか、分かったよ」
「ねえ、あんたも一緒に行ったら良いんじゃない?余計な物まで買ってもらって、迷惑をかけたら困るから」
「大丈夫だよ!空はそんなに、我がままじゃないよ。それに、菜緒が死んで、空をこれ以上悲しませたくないと、思っての事だから、ある程度の好意は受けても良いんじゃないか。菜緒がいなくなったって、他人じゃないんだし」
「あんたが、そう言うなら良いけど…」
「ランドセルと机と…、他に何が要るんだ?母さん」
「そうだね、武田の亜希子さんにでも、聞いて見ようかね」と富子が言うと、海人が首を横に振って言った。
「ダメだよ!それこそ、他の物をねだってるみたいじゃないか」
「それもそうだね」と、富子は納得した。
海人は、誰か教えてくれる人は居ないかと、いろんな人の顔に、思いを巡らし、1人の友人を思い出した。
「あっ、そうだ。妙子に聞いてみるかな?」
石原妙子は、近所で美容室を営んでいる。海人とは幼なじみで、中学まで同級生だった。海人にとっては、ただの友達だったが、妙子は海人に恋心を抱いていた。高校へ進学してからは、全く会っていなかったが、世間は狭いものである。妻の菜緒と妙子は、高校で出会ってからずうっと一緒で、高校を卒業してからも親友同士だった。そして、海人たちの結婚式では、菜緒の友人代表として挨拶する程の仲だった。
妙子は、海人たちより少し早く結婚をし、空よりも1つ年上の子供(早織)がいる。しかし3年前、旦那の浮気が原因で離婚してしまった。そして、夫婦で始めた美容室を、今は1人で切り盛りしていた。
菜緒がいた頃は、家族ぐるみで遊んだり、一緒に旅行をしたりと、親密に付き合っていたが、最近では殆んど往き来がなくなっていた。
妙子の名前を聞いて、富子は言った。
「ダメ!あの人は」
「何故だよ?」
「今、変な噂が出ると困るでしょう。あんたも1人になって、あの人も1人でしょう。世間の目も有るから、気を付けてよ」
「そんな事心配しているのか?妙子と菜緒は親友同士だぞ!」
海人の母親、富子が思い出した様に言った。
「今日ね、武田のお母さんから電話が来て、今度の日曜日に空を連れて、机を買いに行きたいけど、良いか?って言われたから、お願いしますって、言っといたからね」
「そうか、分かったよ」
「ねえ、あんたも一緒に行ったら良いんじゃない?余計な物まで買ってもらって、迷惑をかけたら困るから」
「大丈夫だよ!空はそんなに、我がままじゃないよ。それに、菜緒が死んで、空をこれ以上悲しませたくないと、思っての事だから、ある程度の好意は受けても良いんじゃないか。菜緒がいなくなったって、他人じゃないんだし」
「あんたが、そう言うなら良いけど…」
「ランドセルと机と…、他に何が要るんだ?母さん」
「そうだね、武田の亜希子さんにでも、聞いて見ようかね」と富子が言うと、海人が首を横に振って言った。
「ダメだよ!それこそ、他の物をねだってるみたいじゃないか」
「それもそうだね」と、富子は納得した。
海人は、誰か教えてくれる人は居ないかと、いろんな人の顔に、思いを巡らし、1人の友人を思い出した。
「あっ、そうだ。妙子に聞いてみるかな?」
石原妙子は、近所で美容室を営んでいる。海人とは幼なじみで、中学まで同級生だった。海人にとっては、ただの友達だったが、妙子は海人に恋心を抱いていた。高校へ進学してからは、全く会っていなかったが、世間は狭いものである。妻の菜緒と妙子は、高校で出会ってからずうっと一緒で、高校を卒業してからも親友同士だった。そして、海人たちの結婚式では、菜緒の友人代表として挨拶する程の仲だった。
妙子は、海人たちより少し早く結婚をし、空よりも1つ年上の子供(早織)がいる。しかし3年前、旦那の浮気が原因で離婚してしまった。そして、夫婦で始めた美容室を、今は1人で切り盛りしていた。
菜緒がいた頃は、家族ぐるみで遊んだり、一緒に旅行をしたりと、親密に付き合っていたが、最近では殆んど往き来がなくなっていた。
妙子の名前を聞いて、富子は言った。
「ダメ!あの人は」
「何故だよ?」
「今、変な噂が出ると困るでしょう。あんたも1人になって、あの人も1人でしょう。世間の目も有るから、気を付けてよ」
「そんな事心配しているのか?妙子と菜緒は親友同士だぞ!」
感想
感想はありません。