携帯小説!(PC版)

獣?

[715]  寒明  2009-02-01投稿
今日も雪が降って寒い。室内の石油ストーブのスイッチを入れるが《給油》の表示が出ていた。
「…最悪だ。タンクも空だし。仕方ない、温かいお茶でも飲むか。」
僕はポットに水を入れ、スイッチを押してお湯を沸かすことにした。
今日は久々に仕事の依頼が来た。報酬は破格で前金も振り込んできた。黒い革のソファーに座り、資料に目を通す。

・連続拉致
・残された肉片
・人か?野生動物か?
・無差別?

資料には凄惨な写真が載せられてあったが、死体の写真は無く、荒らされた部屋が血まみれだったり、どこの部位か分からない肉片が写されていた。
「これは人ならざる存在の仕業だな。恐らく死体は食われてるだろう。肉片は食べカスだ。」
横から黒猫のデュークが口を出した。人の言葉を使い、百年を超える歳月を経て妖魔と化した猫。尻尾が三つに割れ、瞳は深紅だ。とても気品があり、美しくそして、頼もしい僕の相棒でもある。
「厄介だな。君の知り合いかい?」
僕は期待を胸に秘め、デュークに問う。
その瞬間、僕は華麗に猫パンチを決められていた。痛いよ、マジで。
「失礼ではないか、このような輩に知り合いはおらぬ。いかに温厚な我輩でも怒るぞ?
真貴よ、抜かるな。」
もう怒ってるじゃん、などとは言わず素直に謝った。明日からさっそく調査しなきゃいけない。現場に行って詳しく調べなければ。さてと、お湯も沸いたしお茶を煎れようっと。

僕の名前は深水真貴(ふかみずまき)。母譲りの美貌が何よりの自慢。背は低く、痩せ型。ある出来事をきっかけにデュークと行動を共にする。二度の死からの生還により、人としての成長は止まったために見た目は齢15前後の少年に見える。己の忌まわしい過去を変えようと異常な事件を調査・解決している。

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