SLOW LOVE(25)
その日は結局エリに慰められ、タケ君がマサノブ君と一緒に帰った。
夜、マサノブ君から電話があって「どうした?」と聞かれたけど、嫉妬した自分を知られるのが恥ずかしくて「なんでもないよ。気にしないで」としか言えなかった。
その日以来、マサノブ君は前ほど積極的に休み時間に教室に来たり、話しかけてきたりしなくなった。
私から隣の教室へ入る勇気もなくて、だんだん二人の間はぎこちなくなってきた。
それでもたまに話すとマサノブ君は以前と同じ優しい態度で接してくれる。
「ユキって本当に大切にされてるよね〜」
そう言って周りの子からは相変わらずうらやましがられている。
そんな中、季節はすっかり夏になり、明日から夏休みだ。
「俺、通信簿母ちゃんに見せらんねー。目も眩むほどの成績…うわぁ…道が歪んで見える…」
「あ、蜃気楼じゃない?」
「ははっ。…………あのー、ユキちゃんさ、夏休みも塾あるよね?暇なとき電話してくれん?…遊べるときとか」
「う、うん。わかった。」
本当はそんなこと言われて飛び上がるほど嬉しいのに、条件反射でそれを隠してしまう。
いま思えばこの時が幸せだと感じれた最後の瞬間だった。
夜、マサノブ君から電話があって「どうした?」と聞かれたけど、嫉妬した自分を知られるのが恥ずかしくて「なんでもないよ。気にしないで」としか言えなかった。
その日以来、マサノブ君は前ほど積極的に休み時間に教室に来たり、話しかけてきたりしなくなった。
私から隣の教室へ入る勇気もなくて、だんだん二人の間はぎこちなくなってきた。
それでもたまに話すとマサノブ君は以前と同じ優しい態度で接してくれる。
「ユキって本当に大切にされてるよね〜」
そう言って周りの子からは相変わらずうらやましがられている。
そんな中、季節はすっかり夏になり、明日から夏休みだ。
「俺、通信簿母ちゃんに見せらんねー。目も眩むほどの成績…うわぁ…道が歪んで見える…」
「あ、蜃気楼じゃない?」
「ははっ。…………あのー、ユキちゃんさ、夏休みも塾あるよね?暇なとき電話してくれん?…遊べるときとか」
「う、うん。わかった。」
本当はそんなこと言われて飛び上がるほど嬉しいのに、条件反射でそれを隠してしまう。
いま思えばこの時が幸せだと感じれた最後の瞬間だった。
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