携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 小さな手

小さな手

[214]  ふく  2009-02-02投稿
小さな両手で僕の右手を優しく包む
柔らかくて少し冷たい
僕を見上げて
私が守るからと微笑む
その眼は強く僕を見つめる

君よりも大分年上なのに
君といると自然と少年の心を取り戻した様な感覚になる
こんなに笑った事があっただろうか
こんなに温かい気持ちになった事があっただろうか
こんなに恥じらいを忘れて泣いた事があっただろうか

君が強くいてくれるから僕は弱くなる
些細な悩みも愚痴も君はただ黙って聞いてくれる
時に一緒になって怒ってくれたり泣いてくれたり
だからいつも僕は軽くなれる
君だけが光をくれる
そう信じていた

もっと昔に君と出会えていたら
そしたら永遠だってあっただろうに

見送るのはいつも君だった
後ろめたさを隠せない僕の背中を押して笑う
じゃあまたって曇りの無い表情で手を振る

君はこんな僕の側にいて幸せなのだろうか
今すぐ君の元へ戻り
君を幸せにするからと約束が出来たなら

貰うものが多過ぎて
君を守れない自分を責めたりもする
だけど決まって君は
私が守るからと僕に笑いかける
その横顔が僕より大人に見えて
真っ直ぐに立つその姿が僕より大きく見えた

全てを犠牲に出来たらこんなにも苦しむ事はない
君以外は何もいらないと心から言えたら
こんなにも涙を流す事はない
次は君の小さな手をしっかり握って僕が君を包んであげられるのに

どんな小さな悩みでも
どんな些細な出来事でも聞きたいからと君が身を寄せる
君の肩を抱いて愛おしさが込み上げた

どんな形でもこの愛は失いたくない
心の底からそう思った
君の本心も知らずに
君の悲しみも知らずに
僕はずるい

きっと僕は何一つ捨て切れないずるい奴だ

感想

感想はありません。

「 ふく 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス