十字路
「すいません」
その一言に振り向いた、ただそれだけ。
一番に飛び込んできたのは意志の強そうな切れ長の目で、私は呼吸すら忘れてただ立ち尽くしてしまった。
小さな受付の窓越しに、ドキドキして止まらなかった。
きっとこれが一目惚れってやつなんだなって、他人事みたいに考える頭と、それでも落ち着いてくれない心臓。
何度か通り過ぎる彼を窓から見かける度に声をかけたくてたまらなかった。
でもね、それは叶わない。
彼がここに来たのは、ほんの一時間程度で終わる取り替え工事の為。
この先もう会えるか分からないと思いながらも、心を決めるには短すぎて。
「ありがとうございました」
工具を持って切り上げていく彼の姿を目で追って、見えなくなる前に止めた。
こんなに簡単に恋に落ちるような女じゃない。なのにあれから数日経った今でも忘れられなくて。
交差したあの瞬間に、強烈に感じた不可思議な感情。
確かめる術はないけれど、私は今も忘れられない。
その一言に振り向いた、ただそれだけ。
一番に飛び込んできたのは意志の強そうな切れ長の目で、私は呼吸すら忘れてただ立ち尽くしてしまった。
小さな受付の窓越しに、ドキドキして止まらなかった。
きっとこれが一目惚れってやつなんだなって、他人事みたいに考える頭と、それでも落ち着いてくれない心臓。
何度か通り過ぎる彼を窓から見かける度に声をかけたくてたまらなかった。
でもね、それは叶わない。
彼がここに来たのは、ほんの一時間程度で終わる取り替え工事の為。
この先もう会えるか分からないと思いながらも、心を決めるには短すぎて。
「ありがとうございました」
工具を持って切り上げていく彼の姿を目で追って、見えなくなる前に止めた。
こんなに簡単に恋に落ちるような女じゃない。なのにあれから数日経った今でも忘れられなくて。
交差したあの瞬間に、強烈に感じた不可思議な感情。
確かめる術はないけれど、私は今も忘れられない。
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