Masack
僕は刻々と空間の歪みが激しくなって行くのを、ただ見ていた。
また、歪みから声が聞こえる…。
「私から逃げようなんて百年たっても無理なんだからそろそろ学習しなさいよね!」
…僕は露骨に嫌な顔をした。やはりこの声はあいつだ。と言うよりも、こういうことを出来るのは上条美咲しかいないだろう…。
…たしか、実技試験をトップで通り。そして今までこの学校で築き上げてきた最優秀記録を、上条美咲が全て更新したやらなんやらで…優々と合格した、学校きっての天才なのだという。学校内ではこの話が物凄く有名らしいが、僕はまったく興味が無かったので知らなかった。
…歪みに今度は亀裂が入った。そこから綺麗に爪を切り落とした小さな手が、ぬるっと出てくる。
…それでは何故、僕がこの事を知っているのか、というと。この前クラスで委員長を決めることになり、投票でおこなった。無論、皆あの上条美咲の実力は知っているから、上条美咲と書いて投票箱へ入ていく…。しかし、僕はそのことをまったく知らない頃だった。他に知っている人もいなかったので、僕は何も書かずに投票箱へといれた。
…次に亀裂からスラッとした長い細い足がでてきた…。その足が地に着くと亀裂が急に大きくなる。
…投票の結果を先生が書いていく。
結果は『上条美咲、三十五票・無投票、二票』。
先生は上条で決まりだなと言った。
僕はどうでもいいから速く帰りたかったので直ぐに帰りの準備をし始めた。
次々にクラスの人達も準備をしていく……その時だった。
「ちょと待ちなさい!!!!」
凛とした声が教室の中を響いていく。
出どころ辿って発生源を見ると……上条美咲だった。
「皆、私に投票してくれて本当にありがとう。頑張って委員長をするわ」
何だそういう事かと、クラスの人達が新しい委員長を祝って拍手をする…。
「皆ありがとう。でも私、一つ気になることがあるの。」
クラスの人達は何だ何だと拍手を止める。
「あの私が出した無投票以外で、また違う人が出してるじゃない?ほら、二票になってる。」
みんなうんうんとうなづく。
「それは…誰なの?」
皆お互いの顔見合わせて首を振りあっている。
…僕はそれは自分だとしっているが、なんか馬鹿らしく思ったので無視してクラスを出ようとした。
「!!……そこの君!!」
また、歪みから声が聞こえる…。
「私から逃げようなんて百年たっても無理なんだからそろそろ学習しなさいよね!」
…僕は露骨に嫌な顔をした。やはりこの声はあいつだ。と言うよりも、こういうことを出来るのは上条美咲しかいないだろう…。
…たしか、実技試験をトップで通り。そして今までこの学校で築き上げてきた最優秀記録を、上条美咲が全て更新したやらなんやらで…優々と合格した、学校きっての天才なのだという。学校内ではこの話が物凄く有名らしいが、僕はまったく興味が無かったので知らなかった。
…歪みに今度は亀裂が入った。そこから綺麗に爪を切り落とした小さな手が、ぬるっと出てくる。
…それでは何故、僕がこの事を知っているのか、というと。この前クラスで委員長を決めることになり、投票でおこなった。無論、皆あの上条美咲の実力は知っているから、上条美咲と書いて投票箱へ入ていく…。しかし、僕はそのことをまったく知らない頃だった。他に知っている人もいなかったので、僕は何も書かずに投票箱へといれた。
…次に亀裂からスラッとした長い細い足がでてきた…。その足が地に着くと亀裂が急に大きくなる。
…投票の結果を先生が書いていく。
結果は『上条美咲、三十五票・無投票、二票』。
先生は上条で決まりだなと言った。
僕はどうでもいいから速く帰りたかったので直ぐに帰りの準備をし始めた。
次々にクラスの人達も準備をしていく……その時だった。
「ちょと待ちなさい!!!!」
凛とした声が教室の中を響いていく。
出どころ辿って発生源を見ると……上条美咲だった。
「皆、私に投票してくれて本当にありがとう。頑張って委員長をするわ」
何だそういう事かと、クラスの人達が新しい委員長を祝って拍手をする…。
「皆ありがとう。でも私、一つ気になることがあるの。」
クラスの人達は何だ何だと拍手を止める。
「あの私が出した無投票以外で、また違う人が出してるじゃない?ほら、二票になってる。」
みんなうんうんとうなづく。
「それは…誰なの?」
皆お互いの顔見合わせて首を振りあっている。
…僕はそれは自分だとしっているが、なんか馬鹿らしく思ったので無視してクラスを出ようとした。
「!!……そこの君!!」
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