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高井戸日記―?

[311]  2009-02-06投稿
高い高い清掃工場の煙突からモックモックと煙が出ている。
煙は南に向かって進み行く。
「あら、里香ちゃんおはよう。どうしたの?」
綺麗な長髪の女性が出てきた。
「おはようございます、管理人さん。…えと、食料が無かったので買いに行こうと思ってたんですが…場所を教えてもらえますか?」
管理人さんこと田辺雫(たなべしずく)。このアパートの管理人で齢26歳。
「フフ…里香ちゃん、ちょっと寄ってきなさいな。何か作るわ。」
「えっ、いいんですか?」
「どうぞいらっしゃい。」
雫はニコッとして里香を誘った。

 第二話 優しい笑顔(その1)

「ご馳走さまでした〜 管理人さんお料理上手です。私もこれから自炊しないとです。でもなにも作れないです。」
里香は困った顔をした。
「大丈夫よ里香ちゃん、オムレツくらいすぐ作れるようになるわ。それに、いつでも教えるわよ。」
雫はニコッとして里香を励ます。
「あ、ありがとうございます!」
(はわ〜 管理人さんは笑顔がとっても似合います。)
 ……………
「里香ちゃん、そろそろ行く?」
「すみません、お忙しいのに。」
「フフ…そんなことないわ。里香ちゃんに教えたい所、沢山あるの。」
雫はニコッとして楽しそうだった。

家の前のグラウンドでは少年野球が盛んだ。
「みんな元気いっぱいですね。」
「そうね。この辺の子たちはみんな元気なの。」
少し歩くと里香は突然走り出した。
「あ!川ですか!?」
少し遅れて雫が来た。
「うん。ここは神田川。もう少しすると桜がキレイに見れるわ。ここが満開になるとすごいのよ。」
桜の蕾がふっくらしていた。涼しいような、少し暖かいような風が南に向かってスーーっと吹いた。
「もう直ぐ春ですね〜。満開の桜、見たいです!」
里香は期待に胸を寄せた。
「フフ、そうね。春はすぐそこまで来てるわ。」
雫はニコッとして優しい笑顔をしていた。しかし、雫の視線は川の橋の上にあった。

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