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君想い(1)

[368]  奈緒  2009-02-07投稿
プロローグ


私がまだ小学五年生の時、事故で両親を亡くしました。

まだ幼かった私は、そんなことを受け入れられずに、従兄弟の所へ連れて行かれました。


「…沙悠」

「お母さん、どこに行くの?」

「お父さんとお母さんはね、少しお出かけして来るからお留守番しててくれる?」

「うん、わかった」

悲しそうな顔をして、玄関を閉めるお母さんに、心配そうなお父さん。


…なんでだろう。

どうして…、嫌な予感が当たってしまったのだろう。

あの時、引き止めてあげればあんなことにはならなかったのかな…。

「沙悠ちゃん!!今ね…」

おばあちゃんと親戚のおばさんが、涙ぐみながら私に伝えた。

「お父さんとお母さん…亡くなられたって…」

「え…?」


信じられなくて、でもどんどん涙が溢れてきて、いつの間にか床に崩れていた。


「沙悠ちゃん、今ね…知り合いの人が来るからね…」

何となく分かっていた。
私はここにいられないことくらい。

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