友達ですら無いとしても。
君は、初めて、泣きました。
『今だけ、ごめん。』
そう言って、
愚痴を溢すわけでも無く、
大声を上げて泣くわけでも無く、
私を抱き締めるわけでも無く、
ただ、
ただただ、あたしに寄りかかるように胸に頭を当て、
小さくないていました。
抱きしめたかった。
思いっきり抱きしめて、
『あたしがいるよ。』
って、告白してしまいたかった。
あたしなら君を泣かせたりはしないのに。
あたしなら君を大切にするのに。
君を想う気持ちなら誰にだって負けないのに。
そう思っているのに、
伝えたいのに、
あたしは
傷ついている君を、
抱きしめてあげることも、
声をかけることさえできませんでした。
そんな自分が
情けなくて、
悔しくて、
醜くて、
ダサくて、
小さくて、
君にバレないように、
声を殺して泣きました。
それから間もなくして色々あって、君とあたしの友情は呆気なく壊れました。
今ではもう、お互いを呼ぶことも、見ることさえありません。
ねぇ…?
出逢ったあの日から、あたしはずっと君だけが好きです。
友達ですら無いとしても。
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