手を繋いで、
いつまでもアイツの隣にいられると、
そう自惚れていたんだ――――…
背中合わせの恋心 #01+゚
――春
桜の花弁が舞い散る中、あたしは今日から高校一年生になる。
世間が高校受験という名の戦争真っ只中、あたしはろくに受験勉強をせず、
特に頭も良くなく、かと言って悪くはない丁度良い県立の高校に入学を希望した。
制服のセーラー服をそれなりに可愛く着こなし、
仲の良い友達とギャアギャア騒いでいる内に三年間なんてあっという間に過ぎてしまうだろう。
それで良いと思ってた。
勉強なんかは大学進学のコトなんて考えてないし、
テスト前の一夜漬けで何とかなるし
恋愛なんて、もうするつもりなんてないし。
まぁ、それに付き合ったことはあるけど
恋愛感情なんてわかんないまま別れた。
一度だけ、
本気で好きになった人がいたけど
でもあんなのあたしの我が侭。
そのせいで大好きな人を失ったんだから。
でも本当は心のどこかで
まだあの人を想っていて。
あの人を越える人なんていない―――\r
それぐらい、あたしにとって大きな存在だった
「めいー、
早くしないと入学早々遅刻するわよぉ」
リビングから間延びしたママの声が耳に届き、
あたしはハッと我に返り洗面所を後にした。
――県立成陵高校
セーラーの胸元に学校の校章が刺繍されているエンブレムが目立つ。
家から学校までは徒歩30分くらい。
まだ全然時間的に余裕なのだが、
「今日は早めに登校すべきよ」
とママにしつこく言われ、
あたしははいはい、と適当に相槌を打って家を出た。
学校近くになると、周りは自分と同い年くらいの
生徒達が桜の並木道を歩いているのが見えた。
心なしか、その殆どが緊張しているように見える。
まぁ、入学初日だからしょうがないかと
思いながらあたしは校門を潜った。
校舎前の特大の掲示板には、クラス分けの紙が張り出され
前に人だかりが出来ていた。
なんとか人を掻き分け、一番前まで来ると自分の名前を探した。
すると1年A組の所に、志水めいの文字が印刷されているのを
見つけた。
A組か…
確認すると、あたしはその場からいそいそと離れて
校舎の中へと入っていった。
桜が綺麗だな…
そう思いながら、教室の窓から桜を見つめていると…
「志水めいちゃん…だよね??」
そう自惚れていたんだ――――…
背中合わせの恋心 #01+゚
――春
桜の花弁が舞い散る中、あたしは今日から高校一年生になる。
世間が高校受験という名の戦争真っ只中、あたしはろくに受験勉強をせず、
特に頭も良くなく、かと言って悪くはない丁度良い県立の高校に入学を希望した。
制服のセーラー服をそれなりに可愛く着こなし、
仲の良い友達とギャアギャア騒いでいる内に三年間なんてあっという間に過ぎてしまうだろう。
それで良いと思ってた。
勉強なんかは大学進学のコトなんて考えてないし、
テスト前の一夜漬けで何とかなるし
恋愛なんて、もうするつもりなんてないし。
まぁ、それに付き合ったことはあるけど
恋愛感情なんてわかんないまま別れた。
一度だけ、
本気で好きになった人がいたけど
でもあんなのあたしの我が侭。
そのせいで大好きな人を失ったんだから。
でも本当は心のどこかで
まだあの人を想っていて。
あの人を越える人なんていない―――\r
それぐらい、あたしにとって大きな存在だった
「めいー、
早くしないと入学早々遅刻するわよぉ」
リビングから間延びしたママの声が耳に届き、
あたしはハッと我に返り洗面所を後にした。
――県立成陵高校
セーラーの胸元に学校の校章が刺繍されているエンブレムが目立つ。
家から学校までは徒歩30分くらい。
まだ全然時間的に余裕なのだが、
「今日は早めに登校すべきよ」
とママにしつこく言われ、
あたしははいはい、と適当に相槌を打って家を出た。
学校近くになると、周りは自分と同い年くらいの
生徒達が桜の並木道を歩いているのが見えた。
心なしか、その殆どが緊張しているように見える。
まぁ、入学初日だからしょうがないかと
思いながらあたしは校門を潜った。
校舎前の特大の掲示板には、クラス分けの紙が張り出され
前に人だかりが出来ていた。
なんとか人を掻き分け、一番前まで来ると自分の名前を探した。
すると1年A組の所に、志水めいの文字が印刷されているのを
見つけた。
A組か…
確認すると、あたしはその場からいそいそと離れて
校舎の中へと入っていった。
桜が綺麗だな…
そう思いながら、教室の窓から桜を見つめていると…
「志水めいちゃん…だよね??」
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